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千葉県は今度の三連休も雨の可能性?

饒村曜気象予報士
台風22号から日本の南海上に伸びる雲(10月30日16時)

台風の影響を受けた三連休

 令和元年(2019年)のこれまでの秋の三連休は、自然の猛威を受けた三連休でした。

 敬老の日を含む三連休(9月14日~16日)こそ、高気圧に覆われ、まずまずの行楽日和の三連休でしたが、秋分の日を含む三連休(9月21日~23日)と、体育の日を含む三連休(10月12日~14日)は、台風により大荒れでした。

 秋分の日を含む三連休は、沖縄では9月21日に大型で強い台風17号が接近したため暴風となり、台風周辺の雨雲がかかる九州、四国でも大雨となっています。

 台風17号は、22日には九州北部に台風が接近、対馬海峡から日本海に進んだため、西日本では、連休中に予定されていたイベントが相次いで中止となり、山陽新幹線も計画運休をしています。

 そして、台風17号は、23日から24日にかけて、温帯低気圧の性質を帯びつつ勢力を保って日本海を進んだため、北日本でもイベントの中止が相次ぐなど、大荒れの三連休となりました

 体育の日を含む三連休は、大型で強い台風19号が、10月12日19時前に静岡県の伊豆半島に上陸しました。

 広域関東圏と東北太平洋側で記録的な大雨となり、大雨特別警報が発表されたのは、13都県となりました

 群馬、埼玉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、茨城、栃木、新潟、福島、宮城、岩手の13都県です。

 前年の「平成30年(2018年)7月豪雨(通称は西日本豪雨)」のときの11府県での大雨特別警報の発表を上回り、過去最多の発表となっています。

文化の日は晴れの特異日

 文化の日は、11月3日で、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨とした日です。

 この日は、昭和21年(1946年)に日本国憲法が公布された日で、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、昭和23年(1948年)に公布・施行された祝日法で「文化の日」と定められました。

 11月3日は、明治天皇の誕生日でもあり、明治6年(1873年)から明治44年(1911年)までは天長節、昭和2年(1927年)から昭和22年(1947年)までは明治節として、休日となっていました。

 11月3日は、長いこと休日になっていますが、「晴れの特異日」ということでも有名でした。

 その前後の日と比べて偶然とは思えない程の高い確率で、晴れるからです。

週間天気予報

 現在、南シナ海にある台風22号から雲の帯が台湾付近を通って、日本の南海上に延びています。

 その雲の帯の北側には、中国大陸から東シナ海、西日本へと雲のない領域があります(タイトル画像参照)。

 高気圧に伴う晴天域で、次第に東日本へ広がってきます。 

 気象庁が発表した週間天気予報によれば、期間のはじめ頃は、北日本では前線や寒気の影響で雲が広がりやすく雨の降るところがある見込みですが、その他の地方では晴れが続く予報です(図1)。

図1 週間天気予報(10月30日17時に気象庁発表)
図1 週間天気予報(10月30日17時に気象庁発表)

 そして、文化の日を含む三連休は、高気圧に覆われ概ね晴れる日が続きます。

 ただ、東日本の太平洋側から西日本の太平洋側にかけては、気圧の谷や湿った空気の影響で雲が広がりやすい見込みです。

 東京地方の予報は3日が「曇りで降水確率40%」、4日が「曇りで降水確率40%」です。

 つまり、4日の予報の信頼度が、3段階で一番低いCであるとはいえ、雨の可能性がある曇りです(図2)。

図2 東京と千葉の週間天気予報
図2 東京と千葉の週間天気予報

 千葉県の予報は、ともに信頼度がCの予報ですが、3日が「曇り一時雨で降水確率50%」、4日が「曇りで降水確率40%」です。

 千葉県では、9月9日5時前に台風15号が千葉市付近に上陸して大きな被害が発生し、10月12日~13日の台風19号では特別警報が発表される寸前の大雨が降っています。

 そして、10月25日には低気圧による時間100ミリの雨と、なんで千葉県がと思われるほど災害が相次いでいます

 文化の日を含む三連休の雨は、普段であれば、災害をもたらすほどの雨ではないと考えられますが、被災地では少しの雨でも二次災害の可能性があり、気象情報に注意して下さい(図3)。

図3 雨の分布予報(11月4日朝)
図3 雨の分布予報(11月4日朝)

 

ようやく暑い秋から並みの秋へ

 令和元年(2019年)の秋前半は、全国的に気温が高い日が多く、東京でも10月に最高気温が30度以上という真夏日になりました。

 しかし、最高気温は10月下旬になると平年値よりかなり高い日と、かなり低い日が交互に表れるようになり、11月にはいると、平年値くらいの日が続く予報です(図4)。

図4 東京の最高気温と最低気温(10月31日~11月6日は気象庁、11月7日以降はウェザーマップの予報)
図4 東京の最高気温と最低気温(10月31日~11月6日は気象庁、11月7日以降はウェザーマップの予報)

 これに対して、最低気温は平年値より高い日が続き、寒くなっても平年値です。

 上空約5500メートルで、氷点下27度の寒気に着目すると、これから日本付近に南下してくるのが11月1日夜ですが、このときは北海道までの南下です。

 しかし、次に寒気が南下してくる11月9日朝では、氷点下27度の寒気は東北地方まで南下してきます(図5)。

図5 南下してくる寒気(11月9日朝)
図5 南下してくる寒気(11月9日朝)

 暑かった秋も、周期的に寒気が南下するようになり、季節は秋から冬に向かっています。

被災地では気温にも注意

 図6は、ウェザーマップの16日先までの千葉市の天気予報です。

図6 千葉市の16日先までの天気予報
図6 千葉市の16日先までの天気予報

 三連休中の11月3日と4日、土曜日の9日に傘マークがついていますが、降水の有無の予報の信頼度は、5段階表示で真ん中のCか、下から2番目に悪いDです。

 ほとんどの日に、お日さまマークがついていますが、気になるのは気温の予報です。

 最高気温が20度を超えなくなり、最低気温も一桁が現れるようになります。

 千葉県などの災害被災地では、二次災害防止にために雨の降り方に注意が必要ですが、同時に、体調管理のために気温の変化にも注意が必要です。

タイトル画像、図1、図3、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。

図2の出典:気象庁ホームページ。

図4の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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