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令和初上陸台風(台風6号)の後は全国的に猛暑

饒村曜気象予報士
汗を拭く日本人ビジネス男性(写真:アフロ)

令和初上陸台風

 7月26日(金)午前9時に日本の南海上で発生した台風6号「ナーリー」は、北上を続け、27日(土)午前7時頃に三重県南部に上陸しました。

 令和になって初の上陸台風です。

 台風6号「ナーリー」は、その後も北上を続け、同日午後3時に岐阜県で熱帯低気圧(熱低)に変わり、その後、本州を横断しました(図1)。

図1 地上天気図(7月28日3時)
図1 地上天気図(7月28日3時)

 このため、28日(日)は、東日本では午前中を中心に雨が降りますが、西日本と北日本では晴れる所が多くなる見込みです。

 台風6号の影響で、南から暖かくて湿った空気が流入しているため、全国的に気温が上昇しますが、大気の状態が不安定となるため、28日の午後は山沿いを中心に、局地的なにわか雨や雷雨の所がありそうです(図2)。

図2 全国の発雷確率(7月28日夕方)
図2 全国の発雷確率(7月28日夕方)

 そして、週明けからは大気も安定し、全国的に晴れて暑い日が続く見込みです。

関東・東海の梅雨明け

 令和元年(2019年)の梅雨明けは、西日本と北陸では7月24日から25日でしたが、このとき、関東と東海は、台風6号「ナーリー」の接近で雨の可能性があったために梅雨明けが見送られました(表)。

表 令和元年の梅雨明け
表 令和元年の梅雨明け

 その台風6号「ナーリー」も去りましたので、まもなく関東と東海も梅雨明けです。

 各地の週間天気予報をみると、週明け以降は全国のほとんどの日が晴れで、最高気温は30度以上の真夏日であり、8月に入ると、最高気温が35度以上の猛暑日が続く予想です(図3)。

図3 各地の週間天気予報(気象庁発表)
図3 各地の週間天気予報(気象庁発表)

 つまり、関東と東海のみならず、東北南部も東北北部も同時に梅雨明けになる可能性があります。

 東北北部が7月28日(日)に梅雨明けをした場合でも平年並みですので、令和元年(2019年)の梅雨明けは、全国的に平年より遅かったということができます。

 台風が過ぎ去った後は、太平洋高気圧が強まり、全国的に夏本番です。

16日先までの天気予報

 東京の16日先までの天気予報では、週初めは黒雲(雨が降りやすい曇り)マークや傘マークがあるものの、7月31日以降はお日さまマークか白雲(雨が降らない曇り)マークの日が続きます(図4)。

図4 東京の16日先までの天気予報
図4 東京の16日先までの天気予報

 しかも、降水の有無の信頼度が5段階で一番高いAは、7月31日から8月7日まで一週間以上続きます。

 令和元年(2019年)7月の東京は、気温が低い日が続いていましたが、これからは一転して気温の高い日が続きます(図5)。

図5 東京の7月の気温と8月の気温(7月28日~8月2日は気象庁、8月3日以降はウェザーマップの予報)
図5 東京の7月の気温と8月の気温(7月28日~8月2日は気象庁、8月3日以降はウェザーマップの予報)

 各地で東京と似た現象が起きます。

 最高気温をみれば連日30度以上の真夏日、最低気温をみれば連日25度以上の熱帯夜と、暑苦しい数字が並びますので、こまめな水分補給など、暑さ対策が必須です。

図1、表の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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