記録的な長雨の予報、名古屋では15日連続の可能性も

日本を窺う前線と熱帯低気圧の雲(6月25日18時)

記録的な長雨の予報

 令和元年(2019年)の梅雨は、梅雨前線が沖縄付近から南下したままのことが多く、沖縄・奄美・九州南部は梅雨入りしたものの、近畿から九州北部は、過去に例がないほど遅れています。

 東日本から東北は、梅雨前線から離れていたものの、上空に寒気が次々に南下するなどして大気が不安定となったために曇りや雨の日が多くなったことで、空梅雨気味ですが、梅雨入りをしました(表)。

表 令和元年の梅雨入り
表 令和元年の梅雨入り

 オホーツク海に高気圧が存在することはほとんどなく、例年の梅雨のように、北から涼しくて湿った空気の流入がほとんどありませんでした。

 梅雨前線は、太平洋高気圧と大陸育ちの移動性高気圧の間に形成されたため、「梅雨にしては高温で乾燥していた」というのが、令和元年(2019年)のこれまでの梅雨です。

 しかし、6月下旬になると様相が変わってきました。

 北太平洋赤道域で対流活動が活発となり、その北側にある太平洋高気圧を強化し始めたため、6月26日以降、梅雨前線が沖縄付近から本州付近に北上しそうです(図1)。

図1 地上天気図(6月25日18時)と予想天気図(6月27日9時の予想)
図1 地上天気図(6月25日18時)と予想天気図(6月27日9時の予想)

 そして、本州付近で停滞しそうです。

 梅雨入りが遅れている、近畿・中国・四国・九州では、この雨で梅雨入りすると思われます(図2)。

図2 各地の10日間予報
図2 各地の10日間予報

 また、沖縄の梅雨明けの平年は、6月23日ですが、10日間予報から見て、令和元年(2019年)の沖縄の梅雨明けは、平年より6日遅い6月29日(土)になりそうです。

 最も遅い梅雨明けが7月9日で、梅雨明けが7月になったのは、統計を取り始めた昭和26年(1951年)以降では6回(全体の9%)もありますので、記録的に遅い梅雨明けではありません。

連日の雨予報

 梅雨のない北海道や、梅雨明け間近の沖縄を除くと、東海から西日本は26日から、関東・北陸・東北では27日から、連日雨の日が続きそうです。

 図2は10日先の7月5日までの10日間予報ですが、今月19日から始まった16日先までの予報では、誤差が大きいものの7月6日以降も雨が続くところが多く、名古屋にいたっては、7月10日まで雨マークが続く予報です(図3)。

図3 名古屋の16日先までの天気予報
図3 名古屋の16日先までの天気予報

 6月26日の雨の天気予報の信頼度は5段階で一番悪いEですが、6月27日以降7月1日までは信頼度が一番高いAです。

 その後の信頼度は落ちるといっても、連日雨マークが並ぶ予報ですので、雨の日が非常に多い予報ということには変わりがありません。

ほぼ全国的に土砂災害に警戒

 連日にわたって雨が続く場合は、大雨でなくても、土中に水分が次第に多く含まれるようになります。

 このため、がけ崩れなどの土砂災害が発生しやすくなります。

 気象庁では、5日先までの「早期注意情報(警報級の可能性)」を発表していますが、6月27日は西日本各地に警戒を呼びかけています(図4)。

図4 大雨に関する6月27日の早期注意情報(警報級の可能性)
図4 大雨に関する6月27日の早期注意情報(警報級の可能性)

 そして、翌28日は、関東地方まで含めた広い範囲に警戒を呼び掛けています(図5)。

図5 大雨に関する6月28日の早期注意情報(警報級の可能性)
図5 大雨に関する6月28日の早期注意情報(警報級の可能性)

 梅雨前線の停滞に加え、現在、フィリピンの東海上にある熱帯低気圧が北上中です。熱帯低気圧が台風に発達するかどうかはわかりませんが、日本付近に多量の湿った空気を持ち込むことが予想されます。

 また、フィリピンの東海上の熱帯低気圧の南東には積乱雲の塊があり、熱帯低気圧の通過後も、日本付近に多量の湿った空気を持ち込む可能性もあります。

 熱帯低気圧が、梅雨前線を刺激すると大雨となる可能性がありますので、全国的に大雨に対して警戒が必要です。

 つまり、「10日以上連続した雨の予報」というより、「10日以上連続した危険な雨の予報」と考えて、警戒が必要です。

 

タイトル画像、図2、図3、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。

図1、表の出典:気象庁ホームページ。