遅れている西日本の梅雨入りの今後

雨傘(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

遅れている西日本の梅雨入り

 令和元年(2019年)の梅雨は、太平洋高気圧の勢力が弱いために、梅雨前線が沖縄付近から南に下がることが多く、東北地方北部まで梅雨入りしたのに、西日本(九州北部・四国・中国・近畿)の梅雨入りが遅れています(表1)。

表1 令和元年(2019年)の梅雨入り
表1 令和元年(2019年)の梅雨入り

 平年の梅雨入りが、九州北部と四国では6月5日、中国・近畿が6月7日ですから、すでに半月も遅れています。

 昭和38年(1963年)は、春から暖かい気候となり、梅雨入りが特定できなかった唯一の年ですが、これを除くと、6月21日が「遅い梅雨入り」の記録更新の目安となります(表2)。

表2 西日本の遅い梅雨入り
表2 西日本の遅い梅雨入り

 梅雨入りをした沖縄は、梅雨前線によって連日の雨となっていますが、東日本や東北での梅雨入り後の曇りや雨は、梅雨前線によるものではありません。

 上空に寒気が入ったことによって大気が不安定になったことで生じたもので局地的なものです。

 教科書に載っている梅雨ではありません。

 第一、オホーツク海には梅雨の主役である高気圧(オホーツク海高気圧)はありません。

水曜日の雨

 6月19日(水)は、梅雨前線が久しぶりに北上し、前線上の東シナ海で低気圧が発生する見込みです(図1)。

図1 予想天気図(6月19日9時の予想)
図1 予想天気図(6月19日9時の予想)

 この低気圧による雨は、九州南部や奄美、沖縄といった、すでに梅雨入りをしている地方が中心です(図2)。

図2 雨と風の予想(6月19日9時の予想)
図2 雨と風の予想(6月19日9時の予想)

 九州南部から雨域が東に広がってきますが、梅雨前線の北側には移動性高気圧があって、雨域の北上を抑える働きをしますので、中国や四国の雨は一時的です。

 したがって、西日本は、19日の雨での梅雨入りはなさそうです。

図3 各地の10日間予報
図3 各地の10日間予報

 各地の10日間予報を見ると、高知における次の雨は、22日ですので、四国の梅雨入りは22日と言いたくなりますが、24~25日が晴れの予報となっていますので、さらにその次の26日になるかもしれません。

 大阪や広島では、26日まで雨マークのない天気が続くという予報ですので、「27日が梅雨入りの日」になるかもしれません。

 あるいは、26日もダメとなると、「梅雨入りを特定できなかった年」になるかもしれません。

梅雨前線北上の兆し

 令和になってから、北太平洋赤道域では対流活動が不活発で、積乱雲の発生が少ない状態が続いていました。

 したがって、台風の卵である熱帯低気圧も発生していませんでした。

 しかし、6月18日あたりから、北太平洋赤道域の対流活動が活発となり、熱帯低気圧も発生するようになりました(図4)。

図4 地上天気図(6月18日15時)
図4 地上天気図(6月18日15時)

 この熱帯低気圧が直接日本に影響するものではありませんが、北太平洋赤道域の対流活動が活発となったことによって、上昇した空気がその北側にある太平洋高気圧の上で下降し、太平洋高気圧を強化することが考えられます。

 つまり、太平洋高気圧が強め、梅雨前線が押し上げることが考えられますので、北太平洋赤道域の活発な対流活動は、梅雨前線北上の兆し(西日本で梅雨入りの兆し)になるかもしれません。

梅雨末期の豪雨

 西日本では、梅雨入りが遅れているために水不足となっていますが、気になるデータもあります。

 梅雨入りが特定できなかった昭和38年(1963年)は、豪雨被害が発生した直後に夏の暑さとなっていますので、梅雨末期豪雨も、梅雨明けの日もあります。

 また、遅い梅雨入り記録がでている昭和42年(1967年)は、「昭和42年(1967年)7月豪雨」と呼ばれる梅雨末期の豪雨で、九州北部から中部地方で大きな被害がでました。

 梅雨入りが遅れて水不足の西日本ですが、梅雨末期の豪雨には警戒が必要です。

図1、図4、表1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。

表2の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。