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しばらく続く寒さ

饒村曜気象予報士
冬服で出かける女性(写真:アフロ)

大きな寒暖差

 東京都心部では12月4日に最高気温が23.4度と、夏日(最高気温が25度以上)に迫る気温となりましたが、一週間後の11日には、最低気温1.4度と、冬日(最低気温が0度未満)に迫る気温となりました。

 1週間で20度以上も寒暖差があったのです。

 これから数日は平年より低い最高気温と平年並みの最低気温が続き、その後、最高・最低気温共に平年より高くなります(図1)。

図1 東京の気温変化
図1 東京の気温変化

 東京だけでなく、これから数日は全国的に平年並みか平年より低い気温が続く予報となっています(図2)。

図2 週間天気予報(数字は上段が最高気温、下段が最低気温)
図2 週間天気予報(数字は上段が最高気温、下段が最低気温)

 記録的な猛暑から暑い秋、12月初めの高温と、暑い日が続いていましたので、12月中旬になっての寒さは、平年並みであっても、体にこたえる寒さです。

上空約5500メートルの寒気

 日本上空約5500メートルの寒気の動向を見ると、大雪の目安とされる氷点下36度以下という強い寒気が東北地方まで南下し、氷点下30度以下の寒気は中国・近畿から関東地方に周期的に南下してきます(図3)。

図3 南下する寒気(12月15日)
図3 南下する寒気(12月15日)

 12月15日のあとは18日です(図4)

図4 南下する寒気(12月18日)
図4 南下する寒気(12月18日)

 つまり、寒さが一服しても長続きせず、すぐに次の寒気が入ってきて寒くなることが繰り返されます。

 太平洋東部赤道域の海面水温が平年より高くなるという「エルニーニョ現象」が発生していますので、一般的には暖冬です。

 しかし、普段のエルニーニョ現象のように、太平洋西部赤道域の海面水温が低くなっていません。

 一般的なエルニーニョ現象の時の冬とは違った冬になるかもしれません。

 気象庁の3ヶ月予報では、西日本と沖縄で暖かい冬、東日本は並みの冬か暖かい冬、北日本は並みの冬となっています。

図1の出典:気象庁資料をもとに著者作成。

図2、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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