葉桜の「花冷え」

舞い散る桜の花(ペイレスイメージズ/アフロ)

花冷え

 桜の咲く頃、3月下旬から4月上旬頃の一時的な冷え込みを「花冷え」といい、俳句の季語となったり、手紙の挨拶に用いたりします。「花冷え」は、桜の開花から満開、葉桜になるまでの約2週間位の間に寒さが戻ることをさします。

 一般的に言われている日本酒の飲用温度の「花冷え」は10度前後をさしますが、気象でいう「花冷え」には具体的な温度の定義はありません。

日本酒の飲用温度

雪冷え(ゆきびえ) 5度付近

花冷え(はなびえ)10度付近

涼冷え(すずひえ)15度付近

常温・冷や    20~25度

 「寒の戻り」は、一般的には暖かくなった晩春の頃に一時的に異常に寒くなる現象のことですが、気象庁の天気予報等で用いる用語としての「寒の戻り」は、「3~4月に再び寒くなること」が定義です。

 いずれにしても、「花冷え」よりは長い期間に使います。なお、気象庁の天気予報等で用いる用語には、「花冷え」はありません。

週末は最高気温も最低気温も低い

 今年の春は記録的な暖かい日が続いており、寒冷前線が南下した4月5日は全国的に最高気温が上がらず、肌寒い気温となっています。「寒の戻り」であり、「花冷え」でもあります。http://sp.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20180402-OYT8T50028.html?page_no=4&from=yartcl_page

 ただ、最高気温が前日までと比べると下がったといっても、これでほぼ平年並です(図1)。

図1 東京の最高気温と最低気温(4月6日以降は予測)
図1 東京の最高気温と最低気温(4月6日以降は予測)

 4月6日(金)から7日(土)にかけては、前線を伴った低気圧が発達しながら日本付近通過するため、全国の広い範囲で荒れた天気となるおそれがあります。この低気圧が通過後に、少し本格的な寒気が南下してきますので、最高気温、最低気温とも低くなる「寒の戻り」があります(図2)。

図2 予想天気図(4月7日9時の予想)
図2 予想天気図(4月7日9時の予想)

 記録的な暖かさが続いたため、桜の開花・満開がすすみ、例年ならば花見の時期である4月第1週の週末の花見までに桜が散ってしまう懸念がありました。

 ここにきての「寒の戻り(花冷え)」です。

 一般的には、「寒の戻り」があると、桜の開花スピードが一時的に遅くなりますので、長めの花見が楽しめます。

 4月5日からの「寒の戻り」で、今週末は、幸いなことに、桜がもつかもしれません。

 あるいは、残念ながら「桜が散ったあとの寒の戻り」、つまり、「花冷え」とは言いにくい「葉桜の花冷え」になるかもしれません。気になる「寒の戻り」です。

 春はもともと寒暖差の大きい季節で、体調を崩しやすい季節です。そして、天気予報が難しく、予報精度が悪い季節です。

 こまめに気象情報を入手して外出時の服装を考えるなど、健康管理に注意してください。

図1の出典:気象庁ホームページの資料をもとに著者作成。

図2の出典:気象庁ホームページ。