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暴風雨警報はないが暴風雪警報はある

饒村曜気象予報士
(写真:アフロ)

各地で暴風警報

 11月11日(土)は、低気圧が発達しながら北海道北部を通過したため、北日本各地で暴風警報が発表されました(図1)。

図1 地上天気図(平成29年11月11日21時)
図1 地上天気図(平成29年11月11日21時)

 雨を伴い、暴風雨となった地方もありますが、暴風雨警報の発表はありません。

 昭和63年(1988年)から暴風雨警報が廃止され、暴風警報が新設されたからです。それまで発表されていた暴風雨警報は雨に関係なく発表されていました。雨が降っていなくても、暴風が吹き荒れれば暴風雨警報の発表だったのです。

 しかし、暴風雪は、視程障害が生じるなど危険なため、これを警戒するために雪の多寡にかかわらず、暴風雪警報が発表となります。そして、雪の降り方によって、大雪注意報や大雪警報が同時に発表となります(表)。

表 暴風警報・暴風雪警報と雪の関係
表 暴風警報・暴風雪警報と雪の関係

 なお、暴風となっているときに、雨が注意報級の場合は「暴風警報と大雨注意報」が、雨が警報級の場合は「暴風警報と大雨警報」が発表されます。

これからは暴風雪警報

 11月11日の場合は、まだ気温が高く降水現象は雨であったので、暴風警報でしたが、次の発達した低気圧が通過したり、冬型の気圧配置が強まると雪が混じる交じるようになります。

 週初めは、再び低気圧が発達しながら北日本を通過します。この低気圧では、北海道では暴風雪警報が発表になるかもしれません(図2)。

図2 予想天気図(平成29年11月13日21時の予想)
図2 予想天気図(平成29年11月13日21時の予想)

 日本列島は、低気圧と高気圧が交互に通過しながら、冬本番へと向かっています。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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