東京の最低気温の記録のランキングは、ほとんどが明治・大正時代
冬型の気圧配置が強まって寒気が南下したため、日本海側では大雪、太平洋側では晴れて、気象庁のある東京都心(千代田区)でも最低気温が零度近くとなっていますが、この寒さは長続きしません(図1)。
追記 24日8時現在、 東京都千代田区の最低気温は、6時47分に観測した、氷点下1.9度です。
今年の冬は、平年値を挟んで、寒い日と温かい日が交互に出現しています。図1には今月のこれまでの最高気温と最低気温に加え、週間天気予報での最高気温と最低気温の予想値も記入してありますが、寒さが長続きをしていません。
そして、その寒さも昔ほどの寒さではありません。
昔は、今よりも、ずーっと寒い日がありました。
東京の最低気温の記録
気象庁の前身である東京気象台ができたのは、今から141年前の明治8年6月ですが、その最初の冬には、氷点下9.2度という、今も破られていない最低気温を観測しています。
東京の最低気温のランキング10位を見ると、全てが1月の記録で、そのほとんどが明治から大正時代のものです(表)。
地球温暖化が問題になる前から最低気温の記録が出なくなっていますので、これは、都市化の影響が大きいのではないかと思います。
ランキング10位のうち一番最近のものは、強い冬型の気圧配置で北陸を中心に記録的な豪雪となった昭和2年1月24日の氷点下8.6度です。当時の地上天気図をみると、西高東低の冬型の気圧配置ですが、等高度線が日本海で少し膨らんでいます(図2)。このことは、日本海の上空に強い寒気が入っていることを示しています。
北陸地方の豪雪は、原因不詳ですが、昭和2年、20年、38年、56年と18年周期でした。
つまり、昭和2年は、一連の豪雪サイクルが始まった年です。