台風18号で特別警報発表 気象に関する特別警報の発表要因は3つある

気象衛星ひまわりから見た台風18号(10月3日22時30分提供:ウェザーマップ)

猛烈な台風18号が沖縄本島地方を暴風域に巻き込み、台風等の要因で特別警報が発表になりました(図1)。

10月3日19時3分に沖縄本島地方に大雨・暴風・波浪・高潮特別警報が発表となったのは、台風が発達して中心気圧905ヘクトパスカル、最大風速毎秒60メートル、最大瞬間風速85メートルとなったからです(台風の諸元は21時のもの)。

平成26年の台風8号で要因が違う2つの特別警報に次いで3回目です。

図1 ひまわりの可視画像(平成28年10月3日15時)
図1 ひまわりの可視画像(平成28年10月3日15時)

気象に関する特別警報は3つの要因

特別警報は、重大な災害が起こるおそれが著しく大きい場合に発表するもので、気象等に関する特別警報には雨を要因とするもの、台風等を要因とするもの、雪を要因とするものの3つがあります(表)。

表 特別警報の各基準と指標との関係
表 特別警報の各基準と指標との関係

台風等を要因とする特別警報の目安の一つは、沖縄では台風の中心気圧が910ヘクトパスカル以下、そのほかの地方では930ヘクトパスカル以下です。台風だけでなく、低気圧でもこの気圧以下になれば、特別警報の対象となり、暴風特別警報や高潮特別警報などが発表となりますが、日本付近ではほとんどないケースです。

雨を要因とする特別警報は、全国を細かいメッシュで区切り、その一つ一つに雨の基準値を設け、ある程度広い範囲で大雨となれば、雨を要因とする特別警報発表するものです。

平成26年の台風8号

平成26年7月の台風8号では、7日18時20分に沖縄県の宮古島地方に暴風と波浪の特別警報を発表しています。7日から8日にかけて沖縄本島地方でも、大雨・暴風・波浪・高潮の特別警報が順次発表されています(図2)。

図2 平成26年台風8号の経路と2つの特別警報の発表タイミング
図2 平成26年台風8号の経路と2つの特別警報の発表タイミング

台風8号の中心気圧は940ヘクトパスカルでしたが、今後、台風が910ヘクトパスカルまで発達すると予報したことからの発表です。特別警報が始まってまもないことから、かなり早めの発表かと思います。

結果的には、940ヘクトパスカルのまま南西諸島を通過していますので、台風等の要因による特別警報基準は満たしていません。このため、9日の2時52分に警報に切り変えられています。

その後、台風外側の雨雲によって沖縄本島で、雨を要因とする特別警報である大雨特別警報が9日7時31分に発表となっています(図3)。雨を要因とする特別警報の基準を超える大雨が降ったためです。

しかし、多くの人は「特別警報が解除されてから4時間半後に再び特別警報が発表された」と受け取り、通学・通勤時であったことから、かなり混乱しています。また、特別警報の解除が早すぎたなどの批判がでています。

警戒するのは台風等の要因の特別警報だけはない

沖縄本島付近を通過中の台風18号では、台風等の要因による特別警報が発表されましたが、日本列島に停滞する前線に向かって暖かくて湿った空気が流れ込み、西日本を中心に大雨となっています。

台風が前線を刺激して広い範囲で大雨となれば、雨を要因とする特別警報発表となる可能性があります。

特別警報にいたらなくても、重大な災害がおきる恐れがあるので警報が発表されている地域があります。

警報で避難等をすべきで、特別警報が発表された時点で避難等が済んでいない場合は「逃げ遅れ」となります。

だから特別警報では「命を守る行動を」との呼びかけがあるのです。

図3 台風8号の進路予報(10月3日21時の72時間予報)
図3 台風8号の進路予報(10月3日21時の72時間予報)

台風18号は東シナ海を北上し、その後、向きを北東に変える見込みですが、予報円の南側を通過した場合は九州北部に上陸する可能性もあります。

気象庁の発表する台風の進路予報(図3)や特別警報、警報、注意報、自治体の発表する避難指示、避難勧告、避難準備情報などの入手に努め、十分な警戒が必要です。

図の出典:気象庁ホームページ

表の出典:饒村曜(2015)、特別警報と自然災害がわかる本、オーム社。