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対局室に珍入者「虫」 そのとき芝野虎丸王座ら棋士たちは

内藤由起子囲碁観戦記者・囲碁ライター
虫にも好かれてしまった芝野虎丸王座。(写真は2019年のもの)=筆者撮影

対局室には独特の空気感があります。その雰囲気を破る珍客がこのたび、名人戦リーグ「芝野虎丸王座対余正麒八段戦」でも現れました。両対局者が部屋から出て避難する騒ぎになった犯人は……。

6月17日。木曜日はプロ碁界では手合い日になっていて、多くの棋士が対局に臨んでいました。

日本棋院5階には5つ、畳の対局室(個室)があります。名人戦リーグ・芝野虎丸王座対余正麒八段戦は一番奥の「清風の間」で打たれていました。

リーグ戦残留に向けて1でも買っておきたい大事な一戦です。

午後6時過ぎ、記録係の近藤登志希初段が同じフロアにある記者室に駆け込んできました。「対局室に虫がいて……」。

それを聞いた私はまず虫の駆除をせねばと思い、階下の日本棋院の事務所に行き、事情を話しました。殺虫剤を手にした棋院の職員とともに対局室向かうと、芝野さん、余さんともに廊下に出ていました。近藤さんは部屋の入り口あたりにいて、「あそこに虫がいます」と指さします。

小指ほどの大きさの虫飛び回っています。見た感じではガガンボではないかと思いました。

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囲碁観戦記者・囲碁ライター

囲碁観戦記者・囲碁ライター。神奈川県平塚市出身。1966年生。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学囲碁部OG。会社員を経て現職。朝日新聞紙上で「囲碁名人戦」観戦記を担当。「週刊碁」「囲碁研究」等に随時、観戦記、取材記事、エッセイ等執筆。囲碁将棋チャンネル「本因坊家特集」「竜星戦ダイジェスト」等にレギュラー出演。著書に『井山裕太の碁 AI時代の新しい定石』(池田書店)『囲碁ライバル物語』(マイナビ出版)、『井山裕太の碁 強くなる考え方』(池田書店)、『それも一局 弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ』(水曜社)等。囲碁ライター協会役員、東日本大学OBOG囲碁会役員。

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