Yahoo!ニュース

タイトル交代 張栩新名人誕生のとき

内藤由起子囲碁観戦記者・囲碁ライター
大盤で解説する張栩九段=2019年10月26日、日本棋院にて。筆者撮影

挑戦手合いでの覇者の交代はつきものです。

偶然にも私は何度もタイトル交代の観戦記を担当する幸運に恵まれ、その最終局をつぶさに観察する機会を得ました。

今回は、2004年に打たれた第29期名人戦七番勝負、依田紀基名人に張栩本因坊が挑戦したシリーズ。張栩本因坊が黒番1目半勝ちを収め、歴代5人目、史上最年少の24歳で名人本因坊となった第6局の、観戦記になどにはない裏の様子を思い返していきたいと思います。

第6局の対局場は静岡県伊東市の「わかつき別邸」。第25代内閣総理大臣若槻禮次郎の別荘を改築した旅館で、現在は営業していません。

わかつき別邸は部屋数が少なく、私は記録係の加藤啓子六段、巻幡多栄子四段と同じ部屋になりました。宿に到着して部屋に入ってしばらくすると、

この記事は有料です。
内藤由起子の「花見コウ」〜囲碁観戦記者 ここだけの話〜のバックナンバーをお申し込みください。

内藤由起子の「花見コウ」〜囲碁観戦記者 ここだけの話〜のバックナンバー 2020年7月

税込330(記事3本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
囲碁観戦記者・囲碁ライター

囲碁観戦記者・囲碁ライター。神奈川県平塚市出身。1966年生。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学囲碁部OG。会社員を経て現職。朝日新聞紙上で「囲碁名人戦」観戦記を担当。「週刊碁」「囲碁研究」等に随時、観戦記、取材記事、エッセイ等執筆。囲碁将棋チャンネル「本因坊家特集」「竜星戦ダイジェスト」等にレギュラー出演。著書に『井山裕太の碁 AI時代の新しい定石』(池田書店)『囲碁ライバル物語』(マイナビ出版)、『井山裕太の碁 強くなる考え方』(池田書店)、『それも一局 弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ』(水曜社)等。囲碁ライター協会役員、東日本大学OBOG囲碁会役員。

内藤由起子の最近の記事