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拙攻続きだった韓国打線が9回につながりサヨナラ勝ち(監督・選手のコメントも)【東京五輪・野球】

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
サヨナラ打を含む4安打のキム・ヒョンス(写真:ロイター/アフロ)

1日の東京オリンピック(五輪)の野球、予選B組2位の韓国がA組2位のドミニカ共和国に4-3でサヨナラ勝ち。ここまでの成績を2勝1敗とした。

ド 1 0 0 2 0 0 0 0 0  3

韓 1 0 0 0 0 0 0 0 3x  4

この日の韓国は打順を変え、4番のカン・ベクホが2番に座り、3、4、5番にイ・ジョンフ、ヤン・ウィジ、キム・ヒョンスが並んだ。

1回の攻撃は両チームとも1、2番打者がヒットで出塁し、ドミニカ共和国はワイルドピッチで、韓国は4番ヤン・ウィジの犠牲フライでそれぞれ1点を挙げた。

韓国の先発、19歳左腕のイ・ウィリは4回表に4番ホアン・フランシスコに2ランを喫するも、5回を投げてヒットを許したのは1、4回のみで4安打3失点。9つの三振を奪ってマウンドを降り、2番手以降の先輩投手陣に託した。

5回3失点、9つの三振を奪ったイ・ウィリ
5回3失点、9つの三振を奪ったイ・ウィリ写真:ロイター/アフロ

韓国打線は毎回ランナーを出すもドミニカ共和国の投手陣をとらえられず、前日のアメリカ戦同様に初回の1点のみで8回までスコアボードに0を並べた。

1-3で2点を追う韓国は9回裏、9番ファン・ジェギュンのところで今大会初打席のチェ・ジュファンが代打で登場。セカンドへの内野安打で出塁すると、代走のキム・ヘソンが盗塁を決め二塁に進んだ。続く1番パク・ヘミンのレフト前ヒットでキム・ヘソンが生還。韓国は2-3とした。

2番カン・ベクホのセカンドゴロで一塁走者が二塁に進み、1死二塁となって打席には3番イ・ジョンフ。イ・ジョンフはファールで粘った8球目、レフト線に二塁打を放ち3-3の同点とした。

二死三塁となってこの日3安打の5番キム・ヒョンスにまわると、キム・ヒョンスはライトオーバーのサヨナラヒット。9回裏にヒット4本を連ねた韓国が土壇場で逆転勝ちを収めた。

以下、試合後の会見でのコメント

◇キム・ギョンムン監督

先発のイ・ウィリ投手が新人らしくない投球を見せた。ホームランなどで3点を与えたが、期待以上の内容だったので逆転を呼び込んだのだと思う。9回に代打起用したチェ・ジュファン選手は8回に出すことも考えたがタイミングを逃し、9回の先頭打者での起用が結果的に成功した。(明日の試合は12時からだが)逆転勝ちしたので選手に疲れはないと思う。スケジュールが大変なのは6チーム同じ条件だ。初のデーゲームということで集中して戦いたい。

◇キム・ヒョンス外野手(サヨナラ打を含む4安打)

最後まであきらめず戦ったことで勝てたと思う。イ・ウィリ投手が崩れずに投げてくれたので勝利を呼び込めた。サヨナラ打になった打席は前の打席(8回)に直球をヒットにしたので、変化球でくると思っていた。初めて見る投手だったが、前の打者にチェンジアップを投げていたので狙い球を絞れた。初球でボールの軌道がわかったので2球目を打つことができた。

◇イ・ウィリ投手(先発投手)

自分の後を投げた先輩たちが抑えてくれて、バッターは9回に集中打を見せて点を取ってくれたので勝てた。(初回に連打後、投手コーチに何を言われたか)「上体が高く、腕だけで投げている。もっと下半身を使ってキャッチャーを見て投げろ」と言われた。

◇韓国先発オーダー

中 パク・ヘミン

指 カン・ベクホ

右 イ・ジョンフ

捕 ヤン・ウィジ

左 キム・ヒョンス

一 オ・ジェイル

遊 オ・ジファン

三 ホ・ギョンミン

二 ファン・ジェギュン

◇韓国バッテリー

投 イ・ウィリ、チョ・サンウ、コ・ウソク、チャ・ウチャン、パク・セウン、〇オ・スンファン

捕 ヤン・ウィジ

◇ドミニカ共和国先発オーダー

中 エミリオ・ボニファシオ

指 メルキー・カブレラ

右 フリオ・ロドリゲス

一 ホアン・フランシスコ

左 ホセ・バティスタ

三 エリック・メヒア

捕 チャルリエ・バレリオ

遊 ヘイソン・グスマン

二 ジェフリ・ペレス

投 ラウル・バルデス、デニー・レイエス、ダリオ・アルバレス、ホセ・ディアス、●ルイス・カスティージョ

韓国はこの日の勝利により2日の12時にイスラエルと対戦。ドミニカ共和国は韓国-イスラエル戦の敗者と3日の19時に対戦する。

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【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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