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森保ジャパンはW杯のスペイン戦でどのように戦うべきか?取り組むべき「アンカー潰し」とプレス嵌め。

森田泰史スポーツライター
五輪で対戦時に競り合うペドリと遠藤(写真:ロイター/アフロ)

インターナショナルウィークが、幕を閉じた。

カタール・ワールドカップに向け、最後の準備期間となった。日本代表はアメリカ戦、エクアドル戦で1勝1分けという結果を残した。

ドリブルする南野
ドリブルする南野写真:ムツ・カワモリ/アフロ

一方、本大会のグループステージで日本と同組のスペイン代表は、UEFAネーションズリーグでスイス代表とポルトガル代表と対戦し、1勝1敗としている。

日本が、スペインに勝つためには、どうすればいいのか。今回はその点にフォーカスして考察を進めたい。

ポルトガルに勝利したスペイン
ポルトガルに勝利したスペイン写真:ロイター/アフロ

「迅速に動くための60日間になる」

スペイン紙『マルカ』は、そのように題打って、スイス戦の敗戦を伝えた。カタールW杯開幕まで、残り2ヶ月を切ったことを強調していた。

ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の状態を、ここで確かめておきたい。とりわけスイス戦ではラ・ロハの課題が出た。そして、当然、それは本大会で対戦する森保ジャパンとしては頭に留めておくべきポイントだ。

■ボールを握るスペイン

スペインは基本的に最終ラインを高く設定する。これはCBの選手の特徴から、というより、ボールを握るスタイルを誇示したいから、という理由が強い。

例えばスイス戦ではエリック・ガルシアとパウ・トーレスがCBでコンビを組んだ。

だがエリックは「裏ケア」が得意な選手ではない。キリアン・エムバペ(フランス代表/パリ・サンジェルマン)、ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル代表/レアル・マドリー)といった選手が相手にいた場合、状況によっては「ぶち抜かれる」恐れがある。

とはいえ、極端に言えば、ビルドアップが円滑にできていれば、問題はない。「ボールを保持する」というのを軸にゲームを展開できるためだ。

しかし、スイスのように、規律が整っているチームに、スペインは苦しんだ。

■前線のプレス

スペインが苦戦したのは、スイスが前線からプレスを掛けたからである。

その解決策としては、「CBの中盤侵入」がある。CBがプレスの的を絞り難くしつつ、ドリブルで持ち上がるプレーだ。

だがエリック、パウ、共に中盤に侵入していくようなシーンは多くなかった。スイスからすれば、プレスを嵌めやすい形だった。

(全2004文字)

■アンカー潰し

もうひとつ、大きな問題がある。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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