刻一刻と、その時が近づいているのかもしれない。

レアル・マドリーが、パリ・サンジェルマンのキリアン・エムバペ獲得に迫っている。2022年夏までパリSGとの契約を残しているエムバペだが、契約延長のオファーにサインしておらず、この夏の移籍の可能性が取り沙汰されてきた。

■虎視淡々と

マドリーは、エムバペ獲得の機会を虎視淡々と窺っていた。

マドリーはこの夏にラファエル・ヴァランを移籍金4000万ユーロ(約52億円)でマンチェスター・ユナイテッドに、マルティン・ウーデゴールを移籍金3500万ユーロ(約45億円)でアーセナルに売却している。高年俸を受け取っていたセルヒオ・ラモスをフリートランスファーで放出して、バルセロナが苦しんだサラリーキャップの問題にも対応できるようにしていた。

そして、マドリーはエムバペ獲得に際してパリSGに最初のオファーを出した。移籍金1億6000万ユーロ(約208億円)で、マドリーとしてはクラブ史上最高額の移籍金である。

シュートを打つエムバペ
シュートを打つエムバペ写真:ロイター/アフロ

だがパリSGはマドリーのオファーに納得しなかった。

「エムバペは、移籍したいなら、移籍できる。だが我々の提示する条件で、だ」とはスポーツディレクターを務めるレオナルドの弁だ。「マドリーの姿勢は正しくなかった。経緯を欠くもので、違法で、受け入れられなかった」と彼は付け加えている。

パリSGは2017年夏にモナコからエムバペを獲得した。1年レンタルの後、彼を完全移籍させるために1億8000万ユーロ(約234億円)を支払うことになった。

パリSGとしては、少なくとも、その額を回収したいところだろう。

マドリーは移籍金固定額1億7000万ユーロ(約221億円)+ボーナス1000万ユーロ(約13億円)で、次のオファーを出したとされている。

■エムバペのストロングポイント

マドリーは間違いなくエムバペ獲得に向けて前進している。となると、気になるのは彼の起用法だ。

エムバペの特徴は、やはり圧倒的なスピードだろう。2018年のロシア・ワールドカップ、決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦で見せた快速とPK奪取は記憶に新しい。トップレベルの選手でさえ、エムバペのスピードには手を焼いてきた。

だが、それだけではない。エムバペは前線と2列目のポジションであれば、どこでもこなせる。そういったポリバレントな能力を備えており、それは多くの指揮官が彼を重宝している要因だ。