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レアル・マドリーで生き残るのは誰だ?ジダンの信頼を賭けたサバイバルレース。

森田泰史スポーツライター
去就に注目が集まるベイル(写真:ロイター/アフロ)

レアル・マドリーで、ジネディーヌ・ジダン監督の信頼を勝ち取るのは誰になるだろうか。シーズン終盤戦を迎え、目が離せない状況だ。

新型コロナウィルスの影響でリーガエスパニョーラは一時中断していた。だが感染者の数がおさまり始め、スペイン政府からゴーサインが出て6月11日の再開が決定している。マドリーはリーガ第27節終了時点(中断前)で2位に位置。首位バルセロナとの勝ち点差は2ポイントだ。

■ベイルとハメスの去就

残り11試合でリーガ制覇に向けて逆転が必要になっているマドリーであるが、難しいシチュエーションに置かれているのはガレス・ベイルとハメス・ロドリゲスだ。

先日、「8万人のサポーターからのブーイングは堪える」と本音を明かしていたベイルだが、加入からおよそ7年が経過した現在もマドリディスタから愛を受けているとは言い難い。度重なる負傷に苦しめられ、ジダン監督をはじめ、サンティアゴ・ソラーリ前監督、フレン・ロペテギ元監督らは最後までベイルを本当の意味で戦力に数えることができなかった。

ベイルは、残された試合で際立ったパフォーマンスを見せなければ、この夏に売却される可能性がある。2013年夏に移籍金9900万ユーロ(約118億円)で加入したベイルを、フロレンティーノ・ペレス会長が安売りするのは考えにくい。だが彼の年俸1700万ユーロ(約20億円)がクラブの負担になっているのも確かだ。

またベイル以上に厳しい立場にいるのがハメスだ。2014年のブラジル・ワールドカップでブレイクして、鳴り物入りでマドリーに加入したハメス。ペレス会長は移籍金8000万ユーロ(ボーナス込み/約96億円)を支払い、彼の獲得を決めた。

ただ、ジダン監督の下ではカゼミーロ、トニ・クロース、ルカ・モドリッチの3選手が盤石の中盤を形成し、イスコをトップ下に組み込んだ【4-4-2】が併用されたものの、ハメスの居場所はなかった。バイエルン・ミュンヘンへの1年レンタルを経て、今季は再起を誓ったが、負傷離脱が響いてポジションを失った。

マドリー加入以降、249試合に出場しているベイル、124試合に出場しているハメスとの別れが近づいているかも知れない。

■ブラジル人トリオ

一方、マドリーが期待を懸けている選手がいる。ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエス、へイニエル・ジェズスの「ブラジル人トリオ」である。

ヴィニシウスとロドリゴに関しては、とかく比較されがちだが、そもそも適性がまったく異なる。ヴィニシウス(左ウィング/ボール保持時に特徴)、ロドリゴ(右ウィング/ボール非保持時に特徴)の2選手は真逆だと言えるかもしれない。

へウニエルについては、レンタル移籍が濃厚となっている。2018年1月に加入して、ラウール・ゴンサレス監督の下、Bチーム相当のマドリー・カスティージャでプレーしてきた。だがマドリーは2020-21シーズンに向けてリーガ1部でへウニエルが出場機会を積むというのを望んでいる。

この3選手はペレス会長の若手推進プロジェクトの中枢を担う選手たちだ。ゆえに、彼らはクラブと指揮官に丁重に扱われるだろう。

ほかにも、マルセロ、ルーカス・バスケス、ナチョ・フェルナンデス、ブラヒム・ディアス、マリアーノ・ディアスと去就不透明な選手はいる。今季、レンタル放出されている13選手がどうなるかも分からないままだ。ただ確かなのは、年々競争が激化するレアル・マドリーにおいて、生き残りをかけたサバイバルレースがスタートするということである。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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