履正社ー星稜 いきなり激突!  センバツ組み合わせ決まる

センバツの抽選会が行われ、優勝候補の星稜と履正社が初戦で当たる(筆者撮影)

 23日に開幕するセンバツ高校野球の組み合わせ抽選会が大阪市内で行われ、優勝候補の星稜(石川)が履正社(大阪)といきなり激突。また、全国屈指の左腕・及川雅貴(3年)擁する横浜(神奈川)は攻守に力がある明豊(大分)と。ともに地区大会優勝の広陵(広島)と八戸学院光星(青森)は実力伯仲の好試合必至だ。一方、21世紀枠で出場の3校は、いずれも強豪と対戦することになった。(学年は4月からの新学年)

呉がまたも開幕戦に登場

 開幕戦は呉(広島)と市和歌山。呉は2年前の初出場時も開幕戦に登場し、延長12回の死闘を制している。呉は機動力を絡めた小技がうまく、市和歌山は捕手の米田航輝(3年=主将)を中心にしっかり守りたい。第2試合は高松商(香川)と春日部共栄(埼玉)の好カード。高松商は、多彩な変化球を持つ左腕・香川卓摩(3年)、右腕・中塚公晴(3年)の投手陣が安定している。そして、第3試合に最注目カードが組まれた。これまでからセンバツでは初日の第3試合に、2012年の大阪桐蔭-花巻東(岩手)のような好カードが入ることが多かったが、今回は、決勝でもおかしくないような豪華な顔合わせだ。

星稜-履正社がいきなり激突

 センバツの抽選会では、予備抽選を実施し、本抽選は地区ごとに予備抽選の若い番号順で行う。星稜は31番で、2校出場の4地区では最下位だったため、どのような状況でも最後に番号札を引くことになっていた。同じブロックで、直前に引いたのが神宮大会優勝の札幌大谷(北海道)で、その段階で空いていたのは米子東(鳥取)と履正社の対戦相手だった。札幌大谷が米子東を引いたため、必然的に履正社と星稜の対戦が決まった次第だ。抽選会前日の「キャプテントーク」では、出場32校中17校の主将が星稜を優勝候補に挙げていて、林和成監督(43)は、「過大評価。選手たちにはよくて5番くらい。5番から10番くらいの実力だと言っている。全国レベルは奥川(恭伸=3年)だけで、野手の頑張り次第」と慎重な口ぶりだった。主将の山瀬慎之助(3年=タイトル写真右)も、「秋は打てなかった。優勝するためには、打力アップが課題」と話し、冬の間、徹底して鍛えたという。

エース負傷の履正社は僅差試合に持ち込めるか

 一方の履正社は、エース・清水大成(3年)が、8日の練習試合でライナーを左手に受け、ようやくキャッチボールを始められるまでに回復。岡田龍生監督(57)は、「まだ1週間あるし、大丈夫だと思う。神宮大会も見たが、奥川君は飛びぬけている。点差がついて伸び伸び投げられたら手も足も出ない。いかに崩すかを考える」と、僅差の接戦を願った。奥川から大量点は見込めないため、履正社は岡田監督が言うように、中盤まで離されず、終盤の1点勝負に持ち込みたい。清水が万全なら、3点以内の熱戦が期待できる。

日曜日に横浜、米子東、札幌大谷が登場

 2日目は、センバツ初出場の日章学園(宮崎)が習志野(千葉)と。習志野の飯塚脩人(3年)は、防御率0.50と抜群の安定感がある本格右腕だ。第2試合の明豊-横浜もハイレベルの好カード。横浜の平田徹監督(35)は、初のセンバツとなる及川について、「真面目な子で、期待に応えようとするタイプなんで、伸び伸び投げてくれたら」と話し、「野手は下級生が多く不安もある。初戦がポイントになる」とまずは明豊戦に全力を傾注する。第3試合は名門・米子東と初出場の札幌大谷の対戦。米子東の紙本庸由(のぶゆき)監督(37)は、「米子東のユニフォームを甲子園に戻せることがありがたい」と名門復活を素直に喜び、日曜日の満員のスタンドに思いを馳せた。札幌大谷の飯田柊哉主将(3年)は、「神宮では優勝したが、初出場でもあるので、まずは初戦突破」と控えめに自信をのぞかせた。

京都勢200勝に挑む平安

 3日目の第1試合は、龍谷大平安(京都)が、津田学園(三重)の挑戦を受ける。昨夏、甲子園100勝を果たした平安には、あと1勝と迫った京都勢甲子園200勝の期待もかかる。原田英彦監督(58)が、「技術はないが、元気と粘りがあるチーム」と話せば、昨夏、甲子園100勝のサヨナラのホームを踏んだ水谷祥平主将(3年)は、「沖縄遠征では走塁やバントのミスが出ていた。もう一度、基本の大切さを確認したい」と、気を引き締めていた。第2試合には、21世紀枠の先陣を切って、石岡一(茨城)が登場し、常連の盛岡大付(岩手)に挑む。最速147キロの右腕・岩本大地(3年)は関東ナンバーワンの呼び声も高く、川井政平監督(44)は、「伸び伸び投げて自分の力を発揮してほしい」と、正攻法でぶつかる。岩本が序盤を無難に切り抜けられれば勝機も出てくる。第3試合は山梨学院と札幌第一(北海道)が対戦。両校とも投手陣にやや不安があり、打ち合いの気配。継投のタイミングもカギを握る。

広陵と光星は「ナカイ」監督対決

 4日目の第1試合は、九州大会優勝の筑陽学園(福岡)と福知山成美(京都)が対戦する。左右の有力投手を擁する筑陽に対し、成美の井本自宣(さだよし)監督(45)は、「秋は全体にスイングが弱かった。ようやくしっかり振れるようになってきた」と課題の攻撃力に手応えを感じている様子だった。第2試合の広陵と八戸学院光星はともに昨夏に続く出場で、地区優勝校同士の好カード。意外にも甲子園初対決で、広陵の中井哲之監督(56)と光星の仲井宗基監督(48)が、名刺交換するシーンも見られた。光星の仲井監督は、「名門の雰囲気にのまれないようにしたい」と、年上の「ナカイ」監督に敬意を見せていた。第3試合は21世紀枠の富岡西(徳島)が、東邦(愛知)に挑む。富岡西の小川浩監督(58)は、「強力打線相手なので、勢いづかせないようにしたい」と話せば、主将の坂本賢哉(3年)は、「地元は『野球のまち 阿南』で盛り上がっているので、ぜひ、期待に応えたい」と意気込んだ。エースで今大会注目の強打者・石川昂弥(3年=主将)が牽引する難敵・東邦にどこまで食い下がれるか。

強力投手陣の明石商

 5日目の第1試合は投手力の明石商(兵庫)が春に強い国士舘(東京)と。明石商の中森俊介(2年)、宮口大輝(3年)の速球派右腕二枚は今大会屈指。終盤の粘り強さには定評があり、攻守に堅実な試合運びを見せる。沖縄遠征では打線が好調だったという国士舘の永田昌弘監督(61)は、「控え選手も伸びてきているので楽しみ」と好投手に総動員で挑む。2年連続出場の松山聖陵(愛媛)は大分との顔合わせ。ともに3度目の甲子園で、初勝利をめざす。大分は中高一貫でチームを強化していて、バッテリーを始め、経験値が高い。第3試合は、初出場の啓新(福井)が、16年ぶりの桐蔭学園(神奈川)と当たる。啓新は星稜と北信越決勝で延長15回引き分け再試合を演じ、自信をつけた。投手陣が粘れれば、得意の僅差試合に持ち込める。

熊本西は智弁和歌山に挑む

 そして最後のカードで、21世紀枠の熊本西が智弁和歌山に挑む。熊本西の横手文彦監督(43)は、「100回やって1回勝てるかどうか。でもその1回が甲子園であってほしい」と前向きに話し、「打たれても相手打線を分断して、失点を抑えたい」とエース・霜上幸太郎(3年=主将)の頑張りに期待した。一方、甲子園初采配となる智弁和歌山の中谷仁監督(39)は、6日目という遅い登場にも、「僕が夏に優勝した時も初戦は6日目だったので縁起がいい。甲子園経験者が多いので、チームとしては勢いがつきにくいと思う。逆に連戦の方がありがたい」と経験豊富な選手たちを信頼している。選手宣誓は、広陵の秋山功太郎主将(3年)に決まり、2年連続で広島の主将がセンバツの宣誓をすることになった。

前半に有力校集中 21世紀枠は難敵相手

 大会の展望だが、前半に登場するチームに有力校が多い。8校ずつを一つのブロックとしてみると、最初のブロックは、履正社と星稜の勝者が4強の一番手か。習志野の飯塚も注目の存在で、高松商の投手陣もまとまっている。二つ目のブロックは、強豪が目立つ。最右翼の横浜は、初戦を突破しても神宮覇者の札幌大谷が待ち構える。試合巧者の龍谷大平安もいて、息が抜けない。後半、3つ目のブロックには、筑陽、広陵、光星、東邦の地区優勝校がひしめく。広陵の投手力がわずかにライバルを上回るか。最後のブロックは、明石商と智弁和歌山の近畿勢が有望。近畿大会では明石商がコールド勝ちしているが、センバツが確定的になったあとの試合で、智弁の控え投手が序盤に大勢を決められた。本番で再戦が実現すれば興味深い。21世紀枠出場校は、そろって難敵との対戦になった。小細工なしで、堂々とぶつかってほしい。