メイジにとっては、さみしいクリスマスとなってしまった。「展開のメイジ」はコワくない。やはりメイジはFWが押してナンボだろう。メイジはFWが要所で「前へ」出られず、重量FWの東海大にやられた。

 12月23日の大学選手権第2ステージ。秩父宮ラグビー場。たしかにFWの重量差はあった。メイジが総体重791キロの平均98・9キロに対し、東海大は872キロの109キロだった。しかも東海大FWはよく鍛えこまれている。フィジカルがつよい。だがメイジとて、今季はFWに自信を持ってきた。伝統ゆえの意地もプライドもある。

 5日前には大学の相撲部に出稽古にいき、巨漢対策をしていた。この時期の珍しい練習。FWへのこだわりはアピールできても、実際の効果はなかった。試合後、メイジの吉田義人監督は漏らした。

 「相撲でいえば、がっぷり四つに組んで、そこから互いにどういう手段で制していくかというのが出たゲームだったと思います。我々のFWの持ち味も出したけれど、東海大さんの重いFWの持ち味も出た。ディフェンスで防ぎきれなかった」

 いや違う。正確に例えると、メイジはがっぷり四つには組めなかった。立ち合いでずるりと押し込まれ、上手をとりにいくのか、差しにいくのか、戦法がはっきりしなかった。点の取り合いも、プレーの精度が雑だった。1対1のタックルも甘く、肝心のスクラムが不安定だった。

 キックオフ直後のファーストスクラム。メイジは崩されて、コラプシング(スクラムを故意に崩す行為)の反則をとられ、PKからゴール前のラインアウトとされた。これをモールでごりごり押されて、ラックのサイドをどーんどーんと突かれ、前半4分、あっさり先制トライを許した。

 この淡白さはナンナノダ。攻撃の時はともかく、ディフェンスに回った時の粘りがない。我慢できない。前半終了間際もゴール前のモールを簡単に押し込まれてトライを奪われた。ここはコミュニケーションミスもあろう。サック(奪い取り・引き落とし)にいくのか、固まりとなって押し返すのか。8人の意志統一ができておらず、ばらばらで押し込まれた。あまりに無残ではないか。

 それでも後半、一時は24-24の同点に追いついた。攻めれば強い。でも守れば弱い。もろい。相手バックスに縦横自在に走られた。セットプレーから一発のサインプレーでトライを許してしまう。スクラムでちょっと押し込まれているから、ディフェンスラインが前に出られず、腰高の待ちのタックルになっていた。これでは止められない。

 つまりは、セットプレー、接点での東海大のプレッシャーにやられたのである。ちょっと、ちょっと、ちょっとが増幅され、最後にゴールラインを割らされることになる。一見バックスの点の取り合いに映るが、勝負を分けたのはやはりFW戦だった。

 重圧を受け続けたメイジFWはダメージが完全に足にきていた。ラスト10分。FWの集散のちがいは明白だった。メイジは36-45で敗れた。シーズンが終わった。

 試合後の会見。「正々堂々と真っ向勝負を挑みました」と吉田監督は口を開いた。8分間のやりとりの間に「正々堂々」の四文字を3回も口にした。「われわれのラグビーを正々堂々とやっていこうと…」「正々堂々と選手たちはよく戦ってくれました」

 さらに1時間後。秩父宮ラグビー場の外の暗闇の中、約100人のメイジの大きな輪ができた。吉田監督は4年生の一人ひとりと握手を交わした。「ありがとう」「ごくろうさん」と言いながら。まるで青春ドラマのワンシーンのようだった。

 最後、吉田監督は声を張り上げた。「わたし自身、ほんとうに力不足だった。みんなを国立(準決勝)に連れていくことができなかった。申し訳ない。これでメイジのラグビーは終わったわけじゃない。この悔しさを絶対、忘れちゃいかん」

 メイジの完全復活はやはり、強力FWの復活である。ディフェンス整備である。基本の個々の足腰強化、フィジカルアップ…。来季こそは「前へ」、とことん前へ、FWから前に出る力をつけるしかあるまい。そう、期待する。

【「スポーツ屋台村」(五輪&ラグビー担当)より】