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YouTuber折田翔吾さん(30)11月25日に棋士編入試験第1局 相手は黒田尭之四段(23)

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2019年11月25日、関西将棋会館において棋士編入試験第1局、折田翔吾アマ(30歳)-黒田尭之四段(23歳)戦がおこなわれます。

 対局開始は10時。持ち時間は各3時間。折田アマは5局のうち3勝を挙げると試験に合格し、棋士(四段、フリークラス)となります。

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 折田さんのクラウドファンディングは、最終的に560人のパトロンから、519万5898円が集まっています。

 11月7日放映(8月30日収録)の銀河戦Bブロック2回戦伊藤真吾五段戦にも勝って、今期銀河戦も連勝しています。

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 編入試験を前に取り組んでいた江戸時代の難問詰将棋集「詰むや詰まざるや」全200題もクリアしたそうで、準備は万端というところでしょうか。

 黒田尭之四段は現在23歳。1996年生まれで、畠山鎮八段門下。今年度4月1日付で四段に昇段しています。愛媛県松山市出身で、愛媛県出身の棋士が誕生したのは、森信雄現七段(伊予三島市、現在の四国中央市出身)以来、43年ぶりのことでした。

 デビュー以来の成績は9勝9敗の五分。現在は斎藤明日斗四段、都成竜馬六段、橋本崇載八段、西田拓也四段、長谷部浩平四段を順に破って5連勝中と好調です。

 黒田現四段と折田さんは三段リーグ在籍時に、対戦しています。2014年度後期は折田さんの勝ち。折田さんにとって最後の三段リーグとなった2015年度後期は、黒田現四段の勝ちでした。

 AbemaTVで解説を担当するのは、瀬川晶司六段と今泉健司四段です。

 瀬川さんは2005年、今泉さんは2014年に編入試験を突破して棋士となりました。解説者として、これ以上の適任者はいないでしょう。

 舞台は整いました。いよいよ熱い勝負が始まります。あとは折田さんと黒田四段、両者の健闘を祈って、好局を期待しましょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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