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ノート(195) 懐かしい大阪拘置所への移送と「牢屋主」との再会

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~尋問編(1)

受刑171/384日目

早朝に出発

 この日は朝から車で大阪に移送されることになっていたので、いつもより1時間ほど早い午前5時40分に起床した。布団をたたみ、舎房着に着替え、洗顔などを終えたころ、警備隊の職員が1舎2階の独房まで迎えにやってきた。

 その指示で居室を出て廊下を進み、事務棟の新入調査室に入ると、護送を担当する5人ほどの刑務官がすでに待機していた。ドライバーや監視役の顔ぶれは総連事件の証人出廷のときとほぼ同じであり、処遇部で部長に次ぐ幹部である首席矯正処遇官もいた。

 その後、彼らの指示で舎房着などを脱ぎ、全裸になると、念入りに身体検査を受けた。外部に出るので、何か危険物などを隠し持っていないか、チェックするためだった。

 これを終えると、領置されていた私物の下着類を身につけ、刑務所が用意していた青色のジャージ上下を着込んだ。舎房着や官物の下着類は刑務所ごとに管理しているものなので、大阪には持っていけないからだ。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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