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ノート(126) いよいよ公判前整理手続も締めくくりへ 裁判所が示した争点整理と審理予定

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

~整理編(36)

勾留134日目

再度の求釈明

 この日の弁護人との接見では、6日後に迫った最後の公判前整理手続に向け、弁護側から「弁号証」として取調べを請求する証拠について打ち合わせた。

 厚労省虚偽証明書事件そのものについて100点に上る証拠を請求することにしたのは、報道が過熱する中、どのような事件だったのかということを改めて冷静な視点で裁判所に理解させる必要があったからだ。

 この点、最高検も、厚労省事件の捜査や公判に対する検証を行い、その結果を公表していた。しかし、検事総長の指示や検察幹部の情報リークといった背景事情などが欠落しており、信用性に疑念があることから、弁護側から証拠として請求する必要などないという結論に至った。

 また、弁護人とは、翌日である2月3日付けで裁判所や検察庁に提出することとなっていた追加分の求釈明書についても打ち合わせた。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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