草津町長に対する名誉毀損で元町議に賠償命令 性被害証言が虚偽と認定された訳 #専門家のまとめ
国内外のメディアで「セカンドレイプの町」などと大々的に報じられた草津町騒動から約4年を経て、ようやく民事の司法判断が示されました。前橋地裁は4月17日、町長室で草津町長と肉体関係をもち、町長から性被害を受けたという元町議の女性の証言を虚偽だと認定した上で、町長に対する名誉毀損を認め、元町議に275万円の損害賠償を命じています。その経緯や理由について、参考となる記事をまとめました。
ココがポイント
▼元町議による町長室での町長との面談録音によると、元町議が記者会見で主張していた性被害の事実など存在しなかった
・草津町騒動に驚きの新展開 町長室での性被害は「虚偽」だった!? #専門家のまとめ(Yahoo!ニュース エキスパート 前田恒彦)
▼元町議はその後、町長との肉体関係を否定し、性被害の訴えの一部も虚偽だと認めた上で、なおも「胸や太ももを触られた」と主張
・町長から性被害との訴え「一部虚偽だった」 元草津町議の代理人説明(朝日新聞DIGITAL)
▼裁判所は元町議の証言の変遷に合理的理由がなく、録音にも性被害をうかがわせる音声がないから、その証言には信用性がないと判断
・「町長室で性交渉」と虚偽の告白、元町議らに賠償命令…前橋地裁が町長への名誉棄損認定(読売新聞オンライン)
▼裁判所は元町議の証言を虚偽だとした上で、電子書籍にそのまま掲載されることを容認しており、名誉毀損が成立すると認定
・草津町長への名誉毀損、元町議らに賠償命令 虚偽内容の書籍出版(毎日新聞)
エキスパートの補足・見解
裁判所は、元町議の証言に基づいて電子書籍を出版したフリーライターの男性にも町長に対する名誉毀損を認め、元町議と連帯して110万円の損害賠償を命じています。取材が不十分であり、真実だと信じるに足りる相当性などなかったという理由です。男性は刑事裁判でも、すでに今年1月に名誉毀損罪で懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けています。
一方、女性は名誉毀損罪に加え、最高で懲役10年と重い虚偽告訴罪でも在宅起訴されていますが、公判前整理手続中であり、初公判のめどは立っていません。ただ、録音という「動かぬ証拠」がある以上、民事の一審判決と同様の認定が示されるのではないでしょうか。有罪の場合、実刑になるか否かが注目されます。(了)