突然、AmazonとGoogleの『TV冷戦』が終結に向かう理由

AmazonでもGoogle Chromecast が販売 出典:Amazon

KNNポール神田です。

□米Amazon.comと米Googleは4月18日(現地時間)、互いの動画サービスをそれぞれのストリーミング端末で視聴できるようにすると発表した。向こう数カ月中にGoogleの「YouTube」の動画がAmazonの「Fire TV」で、Amazonの「プライム・ビデオ」の動画がGoogleの「Chromecast」や「Android TV」で視聴できるようになる。

出典:Amazonプライム・ビデオがChromecastに、YouTubeがFire TVに帰ってくる ようやく和解

これは、双方のユーザーにとっては朗報だろう。今までは、FireTVでは、YouTubeはウェブ経由、Chromecastで Amazon PrimeVideoもウエブ経由で視聴しなければいけなかったからだ。HDMIモニター接続における『テレビ冷戦』において、HDMIを切り替えて、ワンストップでアクセスできないのは視聴の機会を損失していたからだ。それが、突然の和解…。その原因は何だろうか?

■きっかけは、2017年のAmazon Echo ShowからのYouTube引き上げからの『目には目を…』

Amazon Google 双方の『TV冷戦』のきっかけはここからだ。

□(2017年9月)GoogleはEcho Show向けにAmazonが用意したYouTubeアプリがGoogleの利用規約に違反しているとして、Echo ShowでYouTubeを使えないようにしました。その直後、AmazonはGoogle系列のスマートホーム企業Nestの一部製品をAmazonで販売停止にして対抗します。

□Amazonは2015年に「Chromecast」(と「Apple TV」も)の取り扱いをやめています。

□ Googleは(2017年)12月5日(米国時間)、Amazonの「Fire TV」と「Echo Show」からYouTubeを引き上げると声明を出しました。Echo Showでは同日からYouTubeが見られなくなっています。Fire TVでは2018年1月1日からYouTubeを利用できなくなる

出典:AmazonとGoogleのバトルが激化 ユーザー不在の締め出し合戦へ

■和解のきっかけは、新たなプラットフォーマーとの戦いにそなえてだ。

今回の突然のAmazonとGoogleの和解のきっかけは、Amazon Prime Video と YouTubeというモニターというよりも、人々の可処分時間を奪い合えるテレビに直結されたHDMIデバイスから排除している場合でないと判断したからだ。

それは、AppleTV+ が5月よりアプリ化してくること、Disney+が独自のサブスクリプションサービスを提供することなどの外部環境の変化だからだ。広告枠の最大化が命題のGoogleも『YouTube Premium』のサブスクリプションで、広告を排除するという自己否定のチャレンジを展開した。Apple TVは、世界100カ国でCATVや衛星チャンネルを、ひとつのアプリで展開するという。正式なアナウンスはないが、世界100カ国とすると日本がはずされることはまずないだろう。それが、来月の5月からだ。そして、秋からは『Apple TV+』というオリジナル番組でDisney+のサービスで、新たな『TV冷戦』が始まるのだ。

■あらたなHDMI接続の『TV冷戦』のはじまり

『冷戦』というのは、ある意味、完全に他社を排除するのではなく、自社のプラットフォームの中に他社をとりこみながら、自社のコンテンツを優位に仕掛けるという非常に静かな戦争がはじまっているからだ。

本来、プラットフォーマーとコンテンツプロバイダーが共存することが難しい業界だが、GAFA企業がそのど真ん中での覇者争いを繰り返している。

NETFLIXのサーバは、AmazonのAWS内にあり、Amazon AWSの世界最大の顧客でもあるという関係性なども、ライバルの成長が自らの成長にもなるという飯櫃で微妙な関係性でもある。

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