『#楽天家計簿』をリリース。ポイント経済圏とスーパーアプリによる金融再編『LINEレシート』後継は?
KNNポール神田です。
LINEヤフーの『LINEレシート』『LINE PLACE』のサービス変更と同時のタイミングに、楽天は『家計簿』アプリをリリースした。
さらに、楽天ペイメントが「楽天ペイ」「楽天ポイントカード」「楽天Edy」を統合することを発表した。
『楽天Pay』アプリへの統合までにはあと8ヶ月程度かかる模様だが(それだけ難易度が高い?)、『楽天家計簿』はすぐに利用が可能となった。
■『楽天家計簿』は『LINEレシート』ユーザーの受け入れ先となるか?
レシートを読み取り入力している『LINEレシート』だと、一ヶ月の分類はこんな感じだ。
日々のレシート入力が無料で便利だった『LINEレシート』の受け入れ先となるか?と考えると、答えは『ノー!』だった。
まずは、『LINEレシート』から…
任意のレシートからの自動入力で、店舗名が読み取れないのは『不明な店舗』となるが、日別の購入履歴で、経費などの計算ができる。
そして、『楽天家計簿』
https://personal-finance.rakuten.co.jp/
を早速、ダウンロードし、登録してみると、このような表示となる。
広告表示以外、あまり変化が見られない。
むしろ、『PayPayカード』の支払履歴をこのように取り込んでいるところから、PayPay陣営は『PayPay家計簿』の開発を大急ぎでキャッチアップする必要がでてきただろう。
■終了する『LINEレシート』のレシート情報に価値があり
『LINEレシート』はレシート情報から読み取っているので、4月16日の『ガスト』での食事をこのように、何を食べたのかまで読み取ってくれている。
一方、楽天家計簿では、『PayPayカード』からの情報のみなので、このような表示にしかならない。クレジットカードで支払った金額のみだ。
家計簿にどこまでの情報を求めるのかによって違うが、クレジットカードの支払情報に、レシート読み込み機能の情報が付加してくれたほうが重宝するのは明確だ。しかし、それにまつわるコストをどう負担するのか?
楽天家計簿は見事に、個人の消費行動に基づいた広告商品を表示している。もちろん楽天市場へのリンク付きだ。
それだけではない、外部のクレジットカードと銀行は1行づつしか登録できないのだ。なぜだろうか?
■楽天の見事な外部連携機能。 外部クレジット、外部銀行は1社づつのみ!
『楽天家計簿』の実に見事なところは、『その他の金融口座・サービス』を銀行1社、カードを1社しか登録できないところだ。
『その他の金融口座・サービス』に支払用に日常に使っている『PayPay銀行』と『PayPayカード』を入れてしまうと、他のメインバンクの銀行などが登録できなくなってしまう。
あとは、『楽天銀行』と『楽天カード』『楽天ポイント』しか使えなくなってしまうのだ。
多数の銀行やクレジットカードを管理している人は、有料のサービスを使っているかもしれないが、それほど多数の銀行やカード会社がない人は、広告はあれど、無料で使える『楽天家計簿』でひとつにまとめたほうが便利でコストもかからないという判断ができるようになるだろう。
当然、2024年12月までに、『楽天Pay』に統合する計画には、この『楽天家計簿』も統合し、楽天の金融系スーパーアプリ化を計画しているのは手にとるようにわかる。
一方、PayPayは、PayPayカード以外のクレジットカードを利用したPayPayでの支払いを2025年1月(2024年7月末予定だった)まで延期にしているが、むしろ、この8ヶ月で、楽天の金融再編の影響にどのように立ち回れるかにかかっている。
LINEヤフーの『LINEレシート』の技術を受け継ぎ、『PayPay家計簿』で、レシート取り込みの家計簿アプリを早急にリリースすべきだろう。
そして、楽天家計簿が外部連携を銀行、クレジット1社づつという囲みをはずし、各3社くらいまで広げ、会計アプリへの連携や税務署への確定申告を容易にできるようなマイナンバー連動型の家計簿アプリの登場を期待したい。