鶏のから揚げやフレンチフライ、押し寿司もOK 食品ロスが騒がれる今、当然のこと

(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

2020年1月11日、大学院でお世話になった先生の還暦祝いの会に出席した。筆者は、社会人になってから2つの大学院に通った。その2つめの大学院の先生である。

会場の中央にテーブルが、それを参加者が囲んだ(筆者撮影)
会場の中央にテーブルが、それを参加者が囲んだ(筆者撮影)

大きなテーブルにオードブルの料理が載せられた。そのテーブルの周囲を参加者が囲むような形の立食パーティだった。文字で書くと、カタカナの「ロ」(ろ)の字や、漢字の「口」(くち)の字のような形。

還暦祝いではおきまりの、赤いちゃんちゃんこの贈呈式(筆者撮影)
還暦祝いではおきまりの、赤いちゃんちゃんこの贈呈式(筆者撮影)

ひとしきり歓談の時間が終わった後、筆者がお祝いの言葉を述べ、次の方は思い出を語り、記念品と赤いちゃんちゃんこの贈呈を終えた。

そして先生がスピーチを始めた。テーブルには人が誰も来ない。その時間帯を狙って、店の人は、中途半端に残った食事を下げ始めた。「あれ、処分するのかしら」と思ったら、後で、パックした料理が出てきた。

中途半端に残った料理をお店の人がパックして詰めてくれた(筆者撮影)
中途半端に残った料理をお店の人がパックして詰めてくれた(筆者撮影)

おかげで、会が終わった後、すでにパックされた料理を参加者が持ち帰ることができた。

パックされた料理を袋に入れて持ち帰る人(筆者撮影)
パックされた料理を袋に入れて持ち帰る人(筆者撮影)

パックされていた料理は、鶏肉のから揚げ、ソーセージ、フレンチフライ(フライドポテト)、魚の押し寿司。

どれも、スーパーやファストフード店では、当たり前のように持ち帰りが可能な食品ばかりだ。

外食の食品ロスゼロへ向けて(1)飲食店は食べきることができる量を

普段の外食に比べて、宴会と披露宴の食べ残し発生率は一桁多い。

外食での食品ロス発生率(農林水産省 平成27年度 食品ロス統計調査)
外食での食品ロス発生率(農林水産省 平成27年度 食品ロス統計調査)

宴会を企画する場合、飲食店と幹事の双方が、食べきれる量を提供するよう、事前に話し合ってほしい。

立食であれば、参加人数の7割ぐらいでちょうどいいと言われている。

日本は安全性を危惧して、宴会はもちろん、普段の食事でも持ち帰りを禁ずる店が多いので、なおさら「適量」が大事になる。

2020年1月に行った蕎麦屋も、持ち帰りは「衛生上の理由で禁止」だったし、2019年に参加した飲み会や中華料理店での会合も「保健所が厳しいから禁止」と言われた。

外食の食品ロスゼロへ向けて(2)幹事は食べきりの声がけを

京都市の実証実験により、幹事が食べきりを声がけした場合とそうでない場合とで、声がけした場合の方が食べ残しが少なくなることがわかっている。

声をかけるだけならコストは要らない。

環境省が公式サイトでダウンロードOKとしている「30・10(さんまるいちまる)運動」のPOPも、テーブルにさりげなく置くと効果的だ。宴会の、最初の30分間と最後の10分間は、食事をしようという試み。

30・10(さんまるいちまる)運動のPOP(食生活ジャーナリストの会 撮影)
30・10(さんまるいちまる)運動のPOP(食生活ジャーナリストの会 撮影)

外食の食品ロスゼロへ向けて(3)食べきれない場合は持ち帰りを

国は、食べきれない料理を持ち帰る場合の留意点を、飲食店・消費者に分けて、2017年に発表している。

食品業界に対しては、農林水産省が食品廃棄の削減目標を設定している。

2019年10月1日からは、食品ロス削減推進法も施行された。

今回の飲食店は、食べきれない場合の持ち帰りを店が自発的につつんでくださって、素晴らしかった。2020年には、多くの外国人の来日が見込まれる。海外では、残った持ち帰りは当たり前に行われている。異国に来て、どんな料理がどれくらいの量出るか、予想できない。このような持ち帰りOKの店が日本でも当たり前になるようになってほしい。

参考情報