「みんな同じなわけがない」人の顔も、野菜の顔も

(写真:アフロ)

農産物には規格がある。サイズや形、傷の有無など。たとえ味がよくても、規格から外れてしまったものは、流通ルートに乗ることはない。

農産物だけではない。魚介類などの水産物や、精肉類なども同様だ。基準体重から外れたものや、メジャーではない魚なども、流通されて消費されることはほとんどない。

フィリピンから日本に輸出されるオクラも、日本の厳格な規格に合わず、一つの会社で年間数百トンが捨てられる。

フィリピンのオクラ輸出業者で、規格から外れたために廃棄される新鮮なオクラ(筆者撮影)
フィリピンのオクラ輸出業者で、規格から外れたために廃棄される新鮮なオクラ(筆者撮影)

規格は、そこまで厳密にしなければならないものだろうか。

筆者が取材を受けて出演し、2018年7月に世界各国で放映された、NHK Worldの番組 "MOTTAINAI! Tackling Food Waste in Japan"(28分間)が、本日9月3日に再放送されると、番組担当者から連絡があり、視聴した。海外ではテレビで視聴できるこの番組が、日本ではインターネット上の動画で視聴できる。

規格外の農産物を活かす活動に関わる方が出演されており、「海外の(農産物)を見ると、こんなんでいいんだ、と思う。日本だったら通らない」という趣旨のことを話していた。

また、筆者も取材した、規格外の魚介類を毎朝、築地から仕入れ、その日じゅうにメニューを作って提供している居酒屋も登場していた。

もったいない魚を美味しく調理して提供する居酒屋「魚治(うおはる)」(筆者撮影)
もったいない魚を美味しく調理して提供する居酒屋「魚治(うおはる)」(筆者撮影)

「規格」を定めた当初は、何が目的だったのか。ただでさえ自給できていない農産物に、そこまでサイズや見栄えの統一感を求め、他を排除する必要があるのか。

改めて考えてみたい。

NHK World "MOTTAINAI! Tackling Food Waste in Japan"

Sep. 3 (Mon.), 10:30-10:58 / 16:30- 16:58 / 19:30-19:58/ 4:30-4:58

再放送は、2018年9月3日(月)の日本時間10:30-10:58、16:30-16:58、19:30-19:58 および 9月4日(火)午前4:30-4:58

下記の「On Demand(オンデマンド)」ボタンをクリックすると視聴可能

NHK World "MOTTAINAI! Tackling Food Waste in Japan"

参考記事:

島根の漁師町のもったいない魚に育まれ 築地もったいないプロジェクト魚治 年100回通うリピーターも

ベトナム・イオンのオクラと日本の厳格な規格に合わず新鮮でも捨てられるオクラ 規格外のロスどう減らすか

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン(株)、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。「食品ロス削減推進法」成立に協力した。世界資源研究所(WRI)とオランダ政府が運営し食品ロス削減を目指すチャンピオン12.3メンバー。著書に『賞味期限のウソ』『食品ロスをなくしたら1か月5000円の得』。食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

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気候変動が深刻化し、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、対応に悩む企業も多いです。著者は企業広報に14年半、NPO広報に3年従事の後、執筆や講演を通して食品ロス問題を全国に広め、数々の賞を受賞しました。SDGsが掲げる17目標のうち、貧困や飢餓、水・衛生、生産・消費など、多くの課題に関わる食品ロスの視点から、国内外の事例を紹介し、コスト削減や働き方改革も見据え、何から取り組むべきか考えます。

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