NHK「おはよう日本」公式ツイッターさん、その値、最新データより2年古いです

NHK「おはよう日本」公式サイト2016年6月24日放送「食品ロスを減らせ」

2年前の2016年6月24日に放送されたNHK「おはよう日本」の「けさのクローズアップ」は「”食品ロス”を減らせ」特集だった。この時の記事を、2年後にあたる2018年7月11日、NHK「おはよう日本」の公式ツイッターアカウントが紹介している。一瞬、今年2018年6月に放送されたのかと誤解してしまった。よくよく見ると、2年前の2016年6月24日に放送されたものが、今、がNHK「おはよう日本」の公式ツイッターアカウントで紹介されているのだった。それを見た人が、リツイートなどで広めている。

7月9日付の記事「フードシェアしてもフードロス(食品ロス)は減らないどころかむしろ増えている」で紹介した通り、日本の年間食品ロス発生量のデータは、農林水産省と環境省が定期的に発表している。

2年前の2016年にNHKが放送されたときに使われた値は、平成25年度の「632万トン」。

その次に新しい数字が、平成26年度の「621万トン」。

そして最新の値は、農林水産省と環境省が2018年4月17日に発表した、平成27年度の「646万トン」。

2018年7月11日にNHK「おはよう日本」の公式ツイッターで配信している値は、2016年放送当時のものなので、最新データの2年前のものになっている。ツイッターは基本的に「今」を配信するツールなので、まさか、2年前の値が、今、配信されているとは思わなかった。

拡散力のあるマスメディアの公式ツイッターでも情報のアップデイトは必要では?

一般の人にとって、一年間に発生する食品ロスの量が、632万トンだろうが646万トンだろうが、大差ないだろう。大事なのは一般の人が「こんなに多いのだ」と認識し、意識や行動が変わっていくことなのだから、その目的を果たすために、数字の細かい違いを議論するのは本質ではない。

だが、食品ロスに関わる団体が、NHKのツイッターアカウントで今、流れている「632万トン」をそのまま団体の公式ツイッターでリツイートして拡散している場合もある。筆者が食品ロス問題に関わってからのこの10年、食品ロスのデータは、それぞれ、まちまちのものが使われ、氾濫しているのを目の当たりにしてきた。

2年前の放送内容の記事が「今、読まれている」と紹介されているが、拡散力の大きいマスメディアの公式ツイッターは、情報を補足するなりしてアップデイトする(最新のものにする)ことが必要ではないだろうか。

週刊新潮は、22年前の古い表現を、2018年7月11日付の広告で、ようやく最新のものにした。

週刊新潮、ついに22年前の古い表現から最新版に

学術分野の人もアップデイトは必要

ある学会に出席し、食品ロスに関する発表を5~6件、連続して聴いたことがある。使われている数字は、1年前のもの、2年前のものと、まちまちだった。中には4年前のものを使っている人もいた。

食品ロスの統計値は、手術や実験などと違い、人の命に関わるものではないし、少しの違いを指摘したいのでもない。問いたいのは、常に最新情報を入手する、学ぶ姿勢を持ち、影響力や指導力を持つという責任感と緊張感を持って情報を発信しているかどうか、ということだ。マスメディアは大きな影響力を持つ。アカデミアの人なら研究者であり、人々を指導する立場にある。

情報の受け手である我々はメディアリテラシーを持ちメディア情報を主体的に読み取ること

筆者は、2011年3月の東日本大震災を機に独立してから300件近くメディア出演してきた。それまでも食品メーカーの広報室長としてメディアには登場してきたし、NHKには総合・Eテレ・BS・World・ラジオなど、何度も食品ロスをテーマに特集して頂いた。その発信力と信頼性のおかげで、多くの方に食品ロス問題を知って頂くことができてきている。今月2018年7月も、16日にNHK Worldに、24日にNらじ(ラジオ)に出演予定となっている。だからこそ、拡散力のあるNHKの情報はアップデイトして頂きたいと願っている。

NHKの「おはよう日本」の担当者の方に直接お伝えすることもできるだろう。だが、それだと、公式ツイッターでこの情報を受け取って広めてきた人にはわからないままで終わってしまう。情報の受け手である我々視聴者は、あふれるマスメディアの情報を主体的に読み解く力(メディアリテラシー)を持つことがとても大切であり、そのことを多くの人に伝えたい。

<追記(2018年7月12日 16:43)>

最新の食品ロスの値は、農林水産省や環境省の公式サイトで検索すれば、すぐに知ることができる。

<追記(2018年7月13日 4:38am>

当初、テレビも公式ツイッターも古い値を使っていると誤解してしまったが、2年前の放送内容の記事を、今、公式ツイッターで流している、ということがわかった。したがって記事タイトルに「公式ツイッター」を入れ、『NHK「おはよう日本」公式ツイッターさん、その値、最新データより2年古いです』とした。