トップは埼玉県の66.1%…都道府県別スマートフォン利用率をさぐる

↑ 多くの人が利用するスマートフォンの普及率は地域差があるのか否か。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・スマートフォンを使ったインターネット利用者は全国で54.2%。最大の都道府県は埼玉県で66.1%(2017年)。

・スマートフォンを使ったインターネット利用者は人口密集地帯や都市地域で高い値を示している。

今や加速度的に普及が進みつつあるスマートフォン。そのスマートフォンを使ってインターネットにアクセスをしている人は6歳以上の全員比で54.2%(2017年時点)との実情が、総務省が2018年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値から明らかにされている。それではその利用率は全国一様なのだろうか、それとも地域によって大きな差異が生じているのだろうか。今回は都道府県別のスマートフォンによるインターネット利用率の現状を確認する。

スマートフォンだけで無くデジタル系の新しい商品やサービスなどは全般的に、年齢階層構成比率が、そのまま利用率、普及率に反映される事例が多い。つまり都市圏よりも地方ほど高齢層比率が高く、同層では年齢的な問題から、新商品・サービスの利用率が低くなるため、必然的に「地方」=「高齢層多い」=「高齢層の利用率が低い新商品の、その地域全体としての利用率も低くなる」というものだ。この傾向はアメリカ合衆国のリサーチ会社による調査結果(Pew Research社のものなど)でもよく出ている。

そこで今回は通信利用動向調査のデータを用い、都道府県別の「スマートフォンでインターネットを利用している人」の比率を算出し、地域別の利用率動向を調べることにする。次のグラフがその結果だが、全体では54.2%、最高値は埼玉県の66.1%、最低値は青森県の42.1%。24.0%ポイント・1.57倍もの差が出ている。

↑ スマートフォンによるインターネット利用率(都道府県別)(2017年)
↑ スマートフォンによるインターネット利用率(都道府県別)(2017年)

ざっと見ると神奈川県・東京都・埼玉県などの関東圏、大阪府・滋賀県などの近畿圏、福岡県・佐賀県などの九州北部圏など、人口密集地帯・都市地域で高い値を示している。一方で、それ以外の地域のうち、人口が比較的少なめな都道府県では値が低く抑えられている感はある。

ただし直上でも触れているように、もっとも低い青森県でも42.1%と4割を超えている。ほんの数年前までは「未来の携帯電話」「持っている人は滅多に見ない」「電車内で操作していると羨望のまなざしを多方向から感じ取れる」状況だったスマートフォンの利用率とは考えられない値に違いない。ほんの数年で未来が突っ走ってきたようだ。

上記グラフは各都道府県の動向を知るのには役立つが、上位陣・下位陣を探すのには少々難儀する。そこで並べ替えをして、上位・下位の地域をまとめたグラフを生成した。

↑ スマートフォンによるインターネット利用率(上位陣、都道府県別)(2017年)
↑ スマートフォンによるインターネット利用率(上位陣、都道府県別)(2017年)
↑ スマートフォンによるインターネット利用率(下位陣、都道府県別)(2017年)
↑ スマートフォンによるインターネット利用率(下位陣、都道府県別)(2017年)

最上位は埼玉県の66.1%。次いで東京都の65.7%、愛知県の64.9%が続く。関東地域をはじめ、人口密集地帯(=人口比率的に若年層が多い地域)が上位を連ねている。

一方で下位は青森県の42.1%をはじめ、鹿児島県、高知県のような、比較的人口比率で高齢層が多い地域が名前を連ねている。スマートフォンの所有・利用は年齢属性との関係が深いことを考えると、この動向は理解もできるものだ。

今回計測年で全体でも5割を超えた、スマートフォンによるインターネット利用率。この値が上昇を続けるに連れて、インターネットそのものはもちろんだが、周辺、関連する業界もまた、大きな変化に相対するに違いない。

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※通信利用動向調査

2017年分は2017年11月~12月に世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に、企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に対し、郵送による調査票の配布および回収の形式によって行われている(企業向けは一部オンラインでも実施)。有効回答数はそれぞれ1万6117世帯(4万1752人)、2592企業。調査票のうち約8割は回収率向上のために調査事項を限定した簡易調査票が用いられている。各種値には国勢調査や全国企業の産業や規模の分布に従った、ウェイトバックが行われている。過去もほぼ同様の条件下で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。