携帯とパソコン、小中高校生のネット利用実情

↑ 子供でも容易にインターネットを利用できる時代。その内情は(ペイレスイメージズ/アフロ)

ネット率はPC利用者はほぼ9割以上、スマホも約9割

数年前までは大人でもハードルが高かったインターネットも、今や子供でもごく当たり前にアクセスできるようになった。主要な窓口の携帯電話やパソコンで、どれほど利用されているのか、内閣府が2017年3月に確定報を発表した、「平成28年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果」(※)の公開値から、現状を確認していく。

次に示すのは小中高校生で主なネットアクセス機器として浸透しているデスクトップパソコン(PC)、ノートパソコン、従来型携帯電話(ガラケー)、スマートフォン(一般型)の4種類における、各媒体を利用している人のうち、どれほどの割合でインターネットを使っているかを示したもの。例えば小学校男子の従来型携帯電話の値は22.2%とあるので、小学生男子で従来型携帯電話を利用している人のうち、その携帯でインターネットを使っている人は2割強となる。なお「インターネットを利用」とは該当端末でインターネットを利用してサイトやコンテンツを見たり、文章を書きこんでいる場合。インターネットを利用せずに、機能を使っている場合は該当しない。

↑ パソコン・携帯におけるインターネット利用状況(2016年、学校種類・男女別、各媒体利用者限定)
↑ パソコン・携帯におけるインターネット利用状況(2016年、学校種類・男女別、各媒体利用者限定)

パソコンは学校種類・性別を問わず大よそ9割がインターネットを利用すると回答している。元々子供が自前のパソコンを所有している状況は想定しにくく、家族との共用、あるいは借受の形で利用していることから、インターネットへのアクセスが前提となる調べものや動画の視聴を、保護者監視・目視の前提で利用しているのだろう。

他方従来型携帯電話は学校種類別では高学年、男女別では男子の方がインターネット利用率が高い。パソコンやスマホと比べて利用率が低いのは、防犯用として持たされていることもあり、インターネットの利用を必要としない、ノータッチとさせるパターンが多いからだろう。学校種類が上になると利用率も上がるが、それでも性能がハードルとなり、高校生でも4割足らずでしかない。

スマートフォンでは小学生の利用者でも約9割がインターネットを利用している。見方を変えれば1割近くはスマートフォンを利用しているが、インターネットへはアクセスしていないことになる。これも保護者がリスクを考慮した上で、利用を差し止めているものと考えられる。大よそ音声による連絡用、よくて内蔵アプリなどインターネットへのアクセスを必要としないアプリのみの利用を許諾しているのだろう。

もっとも、中高生との差異はあまり無い。中学生で93.2%、高校生では98.3%とほぼ全員。スマートフォンを利用できる環境にある時点で、ほとんどの人はインターネットも利用している・利用の許可を受けていると表現した方が適切かもしれない。

これを端末利用者ではなく、各属性に対する比率で算出したのが次のグラフ。各端末の利用率が大いに反映される形となる。例えば小学生男子全体で、従来型携帯電話を使ってインターネットにアクセスする人は1.6%でしかない。元々従来型携帯電話を利用している人が少ないため、最初のグラフの結果から値が大いに削られる次第である。

↑ パソコン・携帯におけるインターネット利用状況(2016年、学校種類・男女別、各属性全体)
↑ パソコン・携帯におけるインターネット利用状況(2016年、学校種類・男女別、各属性全体)

パソコンとスマートフォンは利用者の大半がインターネットを利用していることもあり、大よそ端末自身の利用率がトレースされる形となっている。高校生は89.0%、女子に限れば90.6%が、スマートフォンを利用してインターネットにアクセスしていることになる。パソコンで利用率の高いノートパソコンですら高校生全体で22.6%、女子に限っても23.4%に過ぎない状況と比較すれば、いかに高校生の間でインターネット=スマートフォン的な状況が一般化しているかが分かる。

また、パソコンと携帯電話との立ち位置を見ると、小学生ではノートパソコンとスマートフォンがほぼ肩を並べている。ところが中学生となると一気にスマートフォンの躍進で立ち位置が逆転する。とりわけ女子の伸び方が著しい。パソコンも増加はしているが、その伸び方はゆるやかなものである。

特殊なスマホなどの実情は

昨今ではスマートフォンは一般型のに加え、格安スマホや子供向けの機能限定スマホも注目を集め、利用者も増えている。そこでスマートフォンや携帯電話の細分化された派生機種についても、インターネットの利用状況を確認しておく。例えば格安スマホでは端末利用者の92.4%とほとんどの人がインターネットを利用しているが、調査対象母集団全体比では格安スマホでネット利用者は3.0%でしかない。

↑ 携帯電話におけるインターネット利用状況(2016年、利用者限定)
↑ 携帯電話におけるインターネット利用状況(2016年、利用者限定)

それぞれのスマートフォン、従来型携帯電話の内情が良くわかる結果となっている。普通のスマートフォンと比べると、機能限定・子供向け、携帯電話の契約が切れたスマートフォンは、インターネットへのアクセスができなくても良い、あるいはさせたくないとの保護者の思惑がそれぞれ相応に反映される値となっている。

また従来型携帯電話では、防犯目的専用端末とも評することができる機能限定・子供向けの携帯電話では、インターネットを利用している人は1割程度でしかない。そして普通のスマートフォン以外は元々利用者率が低いため、全体に占めるインターネット利用率も極めて低いものとなっている。

昨今では色々な意味で話題を集めている格安スマホが、今後どこまで値を伸ばすのか、来年以降の動向が気になるところだ。

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※青少年のインターネット利用環境実態調査

直近年分は2016年11月5日から12月11日にかけ満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3284人(うちウェブ経由は108人)、保護者は3541人(うちウェブ経由は55人、郵送回収法は34人)。過去の調査もほぼ同様の様式で実施されている。