10都府県で緊急事態宣言延長 菅首相が会見(全文2)海外より接種が遅れているのは事実
ワクチン接種になぜこんなに時間がかかるのか
ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー:イギリスの軍事週刊誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』東京特派員の高橋と申します。ワクチンについて伺います。総理、2月中旬から接種を開始したいとの意向を示されましたが、世界ではすでに60カ国近くがワクチン接種を開始しております。日本はなんでこんなに時間が掛かるんでしょうか。G7の中でワクチンの接種を開始していないのは日本だけです。OECD加盟国37カ国中、ワクチンをまだ未接種なのは日本やコロンビアなど、わずか5カ国。そもそもワクチンは国家安全保障や危機管理ですごい重要な、日本でやるべき生産、開発だと思うんですね。なぜこんなに日本はできないのか。 なおかつ、総理はいつも、日本は科学技術立国と名乗っていますよね。その立国を名乗るならば、なぜメード・イン・ジャパンのワクチンを生産できないのか。こういう状況で、ワクチンも駄目、あと検査も日本は人口比当たり138位です、世界で。検査不足、ワクチン未接種、この中でオリンピックを強行していいんでしょうか。危機管理でもっとコロナに専念してというのが国民の願いじゃないでしょうか。尾身会長にも、ワクチン、なんでこんな日本が遅いのか一言伺えればと思います。以上です。 菅:まず日本のワクチン研究にも国として支援をしていることは事実であります。しかし現実的にはまだまだ遅れているということであります。ただ、このワクチンの確保は、日本は早かったと思います。全量を確保することについては早かったと思います。ただ、接種までの時間が海外に遅れていることは、これは事実であります。それは日本の手続きという問題も、これ、1つあるというふうに思います。慎重に慎重に、いろんな治験なりを行った上で日本が踏み切るわけでありますから。そういう意味で遅れていることは現実であるというふうに思います。
日本のワクチン業界、個々の企業は頑張っているが
ただ、こうしてようやくこのワクチン接種の体制ができて、これから始めるようにしたいというふうに思っていまして、始まったら世界と比較をして、日本の組織力で多くの方に、進めるような形に、接種できるような形にしていきたい、このように思っております。よろしいですか。 尾身:日本の国内でも実はもう、ご承知のようにワクチンの生産を今、始めているわけですよね。それで、なぜ日本はというのは、これは今の直接の問題よりも、ワクチンというものの全体の日本の状況を世界と比較すると、日本のワクチン業界というのは、もうこれは、個々の企業は本当に頑張っていますけど、やっぱりこれはグローバルなスケールという意味では、これは今日の、今のことじゃなくて、全体として日本のワクチン業界というのが、欧米の非常に競争力の強いというものに対して、少しそういうスケールメリットがということだと思います。 それからもう1つは、今回、欧米の今、話題になっているようなのは、これは、まったく新しい方法をつくったわけですよね。これについて、日本の場合にはもう少ししっかりと、今までに分かっている、比較的という方法を、そういう文化の違いもあるし、だけど一番の違いはやっぱり、私は日本の、これは今、今日のことではなくて、ずっとワクチン業界の、このグローバルな競争力というものが本質的にあったんではないかと思います。 司会:それでは、大変恐縮でございます。予定した時間でございますので、会見こちらで結ばせていただきます。今、挙手されている方につきましては、各1問をメールでお送りくださいませ。後ほど総理の回答を書面でお返しさせていただくとともに、ホームページでも公開をさせていただきますので、ご理解いただきますようにお願いいたします。それでは以上をもちまして本日の総理記者会見を結ばせていただきます。皆さまのご協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。 菅:どうもありがとうございました。 (完)【書き起こし】10都府県で緊急事態宣言延長 菅首相が会見