友だちと遊ぶ約束をしたけれど…「来なかった」は低学年“あるある” 子ども同士の約束、どうしたらうまくできる?
「今日約束してきたー」と張り切って帰ってきた子どもに、待ち合わせの時間や場所を聞くとあいまいで……。小学校低学年の子を持つ親にとっては、よくあるエピソードです。そんな子ども同士の約束での“あるある”や対策について、教育評論家の親野智可等さんに聞きました。 【マンガで読む】「極度の運動オンチ」だと思っていたら“発達性協調運動障害”だった 診断に辿り着くまでの小学生息子と母の苦悩(全16枚) ■親同士で連絡が取りにくい時代に 子ども同士が学校であいまいな約束をしてきても、かつては親同士で連絡を取り合い、確認することができました。学校から配布される連絡網や名簿があったからです。しかし現在、個人情報が記載された連絡網や名簿は、ほとんど姿を消しています。 このため、子ども同士の約束で困ったという例は、数々あります。 「今日公園で遊ぶ約束をしたよ」と嬉しそうに学校から帰ってきた、小1のKちゃん。人見知りがあり、入学後は友だちづくりに苦労していたため、お母さんも「約束してくるくらい仲のいいお友だちができたんだな」と安心しました。ところが、待ち合わせの時間を聞いてもわからないとのこと。お友だちの名前はわかりましたが、親の連絡先は知りません。家では宿題を終えてから遊ぶというルールを作っていましたが、それを守らせていたら、せっかくできたお友だちを待たせてしまうかも……。そこで、とりあえず公園に行かせたところ、すぐに「来なかった」としょんぼりして帰ってきてしまいました。これからお友だちと約束をするときは、「必ず待ち合わせの時間を決めること、」「その時間に相手がこなくても公園の時計を見て15分待つこと」を伝えました。その後も約束がうまくいかないことは何度かありましたが、2年生の後半ごろになると、しっかりした約束をできるようになっていきました。 ■雨が降ってきた!遊ぶ約束はどうしたらいい? 放課後に5人の友だちと児童センターで遊ぶ約束をしてきた小2のFくん。下校したときには雨は降っていませんでしたが、約束の時間の前に家を出ようとしたところ、雨が激しく降り出しました。お母さんは行かせるのは気が進みませんでしたが、本人は「約束したのだから絶対行く」と言い張っています。幸い、児童センターであれば雨でも遊べるので、行かせることにしました。ところが雨はどんどん強くなり、土砂降りに。Fくんが出かけてから1時間くらい経って心配になったお母さんは、児童センターに様子を見に行きました。するとFくんは部屋のすみっこで1人で本を読んでいました。顔をのぞくと目が真っ赤、誰も来なくて泣いていたようです。お友だちとの約束は必ず守らせるべきなのか、臨機応変に対応するべきなのか、お母さんはもやもやとした気持ちに。次に開かれた保護者会では、いつも遊んでいるお友だちのお母さんに積極的に声をかけて、連絡先を交換したといいます。