「合流新党」代表選 泉氏・枝野氏が会見(全文1)新型コロナ収束まで消費税0%に
社会全体の危機が個々人の生活危機に直結
枝野:代表選挙に立候補いたしました枝野幸男でございます。台風10号で被害を受けていらっしゃる皆さんにあらためてお見舞いを申し上げますとともに引き続き関係地域の皆さんには警戒いただきますようお願いを申し上げます。 私からも困難を乗り越えて合流新党に結集いただいた皆さん、そして合流を支援いただき、あるいはご理解をいただいた皆さん、泉健太さんは特に政調会長として綱領を取りまとめる中心を担っていただきました。こうした全ての皆さんに感謝と敬意を申し上げたいというふうに思います。 さて、バブル崩壊以降に強まった新自由主義的傾向が、自助を強調した過度な自己責任論や目先の効率性に拘泥した市場万能主義をもたらしました。格差と貧困、その拡大。社会の分断を生み出すとともに少子高齢社会における将来不安をさらに強めてきました。そんな中で拡大した新型コロナウイルス感染症は医療をはじめ、生きるために不可欠なケアサービスの脆弱さを顕在化させました。非正規雇用や貯蓄ゼロ世帯が広まり、中小企業、小規模事業者の経営基盤が弱まっていった、そんな中で社会全体の危機が個々人の生活危機に直結しています。 政治は長期政権の下で緊張感と謙虚さを失い、国民生活の危機を受け止めることができていません。自治体や公教育など公的サービスの最前線では人手不足が慢性化し、デジタル化なども進まず現場力を失っています。私はバイト先がなくなり、学費にも生活費にも困っていく学生から、政治に私たちは見えていますかと問い掛けられました。政治はちゃんとあなたを見ている、政治はあなたのぶつかっている現実の壁を知ろうとし、共にその現実を変えるために存在している。私たちは自信を持って国民の皆さんに伝えられるよう大きく踏み出さなければなりません。
党名は立憲民主党を提案
綱領という形で示した社会像の中においても、私は以下の4点を特に早急かつ協力に進めていかなければならないと考えています。1つは新自由主義的社会を転換しベーシックサービスを質量をともに充実させ、再分配機能を回復させるなど、さまざまな危機や困難にあっても命と暮らしを守ることのできる、支え合う社会を構築します。 2つ目に公文書管理と情報公開の徹底など、立憲主義に基づく真の民主政治を取り戻して政治行政の信頼を回復させ、公的サービスの現場力を強化するなど、命と暮らしを守るための機能する政府を実現します。 3つ目に個別所得保障制度や一括交付金などで多様な地域の持ち味を生かして一極集中を転換し、世帯単位を個人単位に転換するなど多様な生き方を自由に選択できる社会を実現します。 そして第4に、健全な日米同盟を軸に国民の命と国益を守る現実的な安全保障・外交政策を推進します。野党の結集が長期政権の終わりとほぼ同時期になったことは、ある意味で時代の要請だと思います。政権の選択肢となるため、共に集う全ての皆さんがそれぞれの持ち場で持ち味を生かし、最大限に力を発揮できるよう、女性、そして若手から中堅、ベテランまで世代やジェンダーを越えて活躍できる党運営を進めます。その中で1人1人が内向きになることなく、国民生活に向き合った地道な活動を積み重ねていきます。私は積み重ねてきた貴重な経験、特に困難と挫折によって学んだ教訓を生かし、その先頭に立つ決意であります。 最後に、党名については立憲民主党を提案しています。自由民主党は憲法などで定められた手続きを無視して数の力で押し切る政治を進めてきました。単純な多数決が民主主義であると勘違いした立憲主義に対する無理解と無視こそが明確な特徴です。立憲民主という名前は新自由主義に走る民主党と、立憲主義を守る立憲民主党、明確に2つの大きな政党の違いを示す名前だと思っておりまして、多くの皆さんにご賛同をいただければとお願いを申し上げる次第であります。ありがとうございました。 司会:枝野候補、ありがとうございました。それでは質疑応答に入ります。お立ちいただけますでしょうか。それでは最初に野党クラブ幹事社の方から2候補に共通の質問をお願いいたします。候補者の方は1分めどでお答えください。回答は選管の指名に基づいた順番でお願いします。それでは幹事社、毎日新聞さんからお願いいたします。