“防衛国債”は「未来の世代に対する責任として取り得ない」岸田首相会見12月10日(全文2完)
岸田文雄首相は10日、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「臨時国会閉会を受けて 岸田首相が会見(2022年12月10日)」に対応しております。 【動画】臨時国会閉会を受けて 岸田首相が会見(2022年12月10日) ◇ ◇
事実上の対露軍事支援をどう位置付けるのか
記者:先ほどのロシア・ウクライナの続きですけれども、日本はロシアから天然ガスを輸入して、その代わりに日本から軍事利用も可能な中古車をロシアに大量に輸出しています。日本はウクライナ側に立っているという立場であるということは承知していますけれども、この事実上のロシアに対する軍事支援をどのように位置付けますか。お願いします。 岸田:まず、ロシアによるウクライナ侵略は力による一方的な現状変更の試みであり、欧州のみならずアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。その中でわが国は、これまでG7と足並みをそろえて迅速に、厳しい制裁措置を実施しています。そしてその中で、今この乗用車の対ロシア輸出についてご指摘がありましたが、これらは欧州等と足並みをそろえた輸出規制措置を実施しているということであります。そしてロシア産原油についてはG7の合意に基づき対応している。日本への輸出量は大幅に減少しているというのが現状であります。 従って、ロシアに対する事実上の軍事支援を行っている、こういったご指摘は当たらないと思っています。今後とも、一刻も早くロシアが侵略をやめるよう、そして制裁がいっそう効果的になるよう引き続きG7をはじめとする国際社会と緊密に連携していく所存です。 なお、先ほど軍事転用、軍事利用も可能な中古車というご指摘がありましたが、日本からの輸出中古車が軍事用途で使用されているという情報はありませんが、具体的な情報がある場合には外為法に基づいて個別に輸出規制を行っていくことになると考えています。
改憲への取り組みをどう進める考えか
司会:それでは次の方。産経新聞、田村さん。 記者:産経新聞、田村です。よろしくお願いします。憲法改正についてお伺いします。今国会でも憲法審査会で緊急事態条項などを巡って活発な議論が行われたと思います。政府が防衛強化を進める中で、自衛隊の明記というのもあらためて重要なテーマになっているというふうに私は思っているんですが、自民党総裁として改正原案の作成など、来年の通常国会へ向けて具体的な改憲に向けた取り組みをどのように進めていこうというふうにお考えか、お聞かせください。 岸田:まず、今般の臨時国会では憲法審査会において実質的な討議が行われ、緊急事態条項を巡っては各党の主張に関する論点整理が行われました。こうした議論を通じて国会で与野党の合意を得ながら1つ1つ結論を出していく必要があると考えており、そのための一歩として歓迎をしたいと思っています。 憲法改正について、議論の進め方、あるいは内容について直接申し上げることは行政府の長として控えなければならないと考えますが、憲法改正の発議には、その内容について国会議員の3分の2の合意を得なければならず、国会においてより具体的な議論を進め、そして賛同する方々を増やしていく。これが大変重要なことです。引き続き与野党全体でいっそう活発な議論が行われること、これを心から期待をしたいと思っています。以上です。 司会:それでは毎日新聞、高橋さん。