“防衛国債”は「未来の世代に対する責任として取り得ない」岸田首相会見12月10日(全文2完)
年末年始に訪米の可能性はあるのか
記者:毎日新聞の高橋です。先ほど、G7広島サミットに向けて、5月までに首脳外交を通じてさまざまな努力をしていきたいということをおっしゃいました。年末年始に訪米の可能性はあるのかということと、月内に改定する安全保障の3文書に合わせて、米側と日米ガイドラインの見直しについて協議を進めるお考えはありますでしょうか。 岸田:まず私の外交日程については、ご指摘の国々との関係も含め、なんら決まってはおりませんが、来年は年初よりG7の議長国、そして安保理非常任理事国、こうした役割を担うことを踏まえて引き続き積極的に首脳外交を展開していきたいと考えています。その中でG7はじめ各国首脳と議論を重ね、個人的な信頼関係を深めつつ、令和5年という重要な年の、外交面での取り組みについても遺漏なきよう取り組んでいきたいと考えています。 なお、年末までに新たな国家安全保障戦略等を策定するための検討を進めているところですが、日米ガイドラインの扱いについて、現時点でなんら決まっているものはないと承知をしています。いずれにせよ、引き続きさまざまな分野における日米の防衛協力をさらに推進し、日米同盟の抑止力、対処力、これをいっそう強化していく考えです。以上です。 司会:それでは次の方。それでは神保さん。
戦後防衛政策の根本的な変更と考えているのか
記者:ありがとうございます。ビデオニュース・ドットコムの神保です。総理、防衛3文書の改定の話がさっき出ましたけれども、総理は内容、それから予算規模、財源を同時に示すというふうにおっしゃっておられました。 しかし、内容についてまだあまりわれわれは聞かされていないうちになぜか財源論、それから増税だの国債だのいろんな予算の話、そっちのほうがどうも先行しているように見えるんですが、これは言ってみればおかしくないですか。中身が分からないのになぜか金額が出てくるということがなぜなのか。それから、もしその内容が、これまで断片的に伝わってきているような、敵基地の攻撃能力であるとか、あるいは予算が、防衛費が倍増するというようなことになると、これは日本にとっては戦後の防衛政策の抜本的な変更になると思うんですが、そうなると、説明がないままそれが来週にも閣議決定されるということは、どう見てもちょっと拙速のようにも思うんですが、総理はこれはまず、そもそも戦後の防衛政策の根本的な変更だというふうに総理としては考えておられるのかどうかも含めて、その点をお願いいたします。 岸田:今回の取り組みは安全保障政策、あるいは日本の財政政策においても大きな転換であると思います。だからこそ、これは内容と、そして予算と、そしてこの財源と、これを一体として議論をすることが重要である、このように申し上げてきました。5年間で防衛力の抜本的強化、そして抜本的に強化された防衛力の未来に向かっての維持、強化。そしてそのための安定財源の確保。こうしたことが重要だということ。これ、通常国会のときからずっと、再三申し上げてきました。 そしてNSC、4大臣会合での議論、あるいはNSCにおいても、国家安全保障局においても有識者の方々のヒアリングを行い、そして有識者会議も立ち上げ、報告書を受け、さまざまな議論を積み重ねてきました。今年の初めからこうした議論を積み重ねてき、その間ずっと年末に向けてこの内容と、そして予算と、そして財源、これを一体的に決めるんだということを言い続けてきました。 こうしたさまざまな議論を積み重ね、そしてこれからいよいよ年末を迎えるということであります。こうした積み重ねのありよう、この内容についてはまだ確定をしているわけではありませんが、できるだけこの議論についても、さまざまな関係者に関与してもらいながら、このありようについて議論を展開してもらう。こうした形によって、多くの国民の皆さんの理解を得るべく努力をしてきた、こうしたことであります。