“防衛国債”は「未来の世代に対する責任として取り得ない」岸田首相会見12月10日(全文2完)
国民への説明を続けていきたい
一方で、今、私たちの置かれている安全保障環境、急速に厳しさを増している。この中で一刻も早く、国民の命を守るために政治として責任を果たさなければいけない。こうした必要性にも迫られています。その中にあって、このずっと積み上げてきた防衛力に関する内容と予算と財源の議論、ぜひ年末に向けて取りまとめ、それを示すことによって国民の安心・安全につなげていきたいと強く思っています。 拙速だというご指摘もありましたが、こういった過程を積み上げてきたということも含めて国民の皆さんに対する説明も引き続き努力を続けていきたいと考えています。 司会:それでは次、東京新聞の坂田さん。
少子化対策、子育て支援への考え方は?
記者:東京新聞の坂田です。少子化対策についてお尋ねします。総理は、こどもまんなか政策を徹底するとして、出産育児一時金の引き上げも示されましたが、一方で子供関連予算の倍増に関しては来年の骨太で道筋を示すとし、年1兆円強の増税を明言した防衛費の増額と比べ、後回しになっているとの指摘が上がっています。今年の出生数は統計開始以来、初めて80万人を割り込む見通しで、専門家はこのままのペースでは社会保障制度の維持が難しくなると警鐘を鳴らしています。 こうした国民の不安を早期に解消すべきかと思いますが、少子化対策、子育て支援への考え方をあらためてお聞かせください。また、来年の骨太では具体な内容、予算規模、財源、達成時期まで示すお考えもあるのか、併せて教えてください。 岸田:まず、子供は国の宝です。希望すれば、誰もが子供を産み、育て、子供の笑顔あふれる国をつくっていきたいと考えており、少子化対策、子供予算については岸田政権の再重要課題の1つであると考えています。今回の経済対策においても先行的に妊婦、低年齢児を対象とした伴走型支援と10万円の経済的支援を組み合わせた事業を創設しました。また、大幅引き上げを約束した出産育児一時金についても、来年4月より現在の42万円から50万円に引き上げる方向で調整を指示いたしました。これは8万円の引き上げ、これは過去最大となります。 そして今後の子供政策に関する予算については、こども家庭庁の下、子供の視点に立って必要な政策は何なのか、これをしっかり議論した上で体系的に取りまとめ、社会全体での費用負担の在り方の検討と併せて、子供政策の充実に取り組んでまいります。すでに来年4月のこども家庭庁の発足を待たず、全世代型社会保障構築会議において議論を進めているところですが、必要な政策の中身、しっかり議論した上で、来年の骨太の方針において将来的な予算の倍増を目指していく、こうした上での当面の道筋、これを示していきたいと考えています。 司会:それでは次の方、京都新聞の岡田さん。