第166回芥川賞受賞会見(全文)砂川文次さん「あれよあれよという形でここに」
北海道への思いを教えてほしい
北海道新聞:北海道新聞の【オオハラ 00:54:42】といいます。このたびは受賞おめでとうございます。 砂川:ありがとうございます。 北海道新聞:小説を本格的に書き始めたのが帯広の自衛隊時代というふうにお聞きしております。以前、遠い昔なんですけども、大阪府出身だけれども北海道出身と言いたいぐらい北海道が好きだというようなお話もされていて、そこら辺、北海道の思いなどを教えていただければ。 砂川:そうですね、正直に申し上げますと、最初入隊して福岡で、それから勤務地の発表があったときに、私は本当は東京に帰りたかったです。そのあとに部隊の名前と任地が発表される流れだったんですが、そのときに北海道っていう地名が出てきたときに、嫌だなって思っちゃったんですけど、ただ、子供、結婚して子供もできてあちらで生活するようになると、結構、北海道の部隊の中では北方のことを試される大地とかって言ったりして、結構、過酷な自然の中に加入していくような形で、ただ、それとは違う、夏も多少は暑いですけど湿度がないですし過ごしやすかったなっていうのと、ごめんなさい、すごい個人的というか家族の話になってしまうんですけど、大きい公園がいっぱいあって良かったなっていうのがあります。 北海道新聞:ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。では最後の質問とさせてください。一番あちらの、はい。
受賞について、家族の反応は
読売新聞:どうも、読売新聞の鵜飼です。おめでとうございます。 砂川:ありがとうございます。 読売新聞:いつもはもうそろそろ眠る時間ですね。 砂川:そのとおりです。 読売新聞:8時。その時間にこうやって座ってるのはどうでしょうか。 砂川:意外とまだ眠くないなという感じです。 読売新聞:大丈夫ですか。 砂川:はい、大丈夫です。 読売新聞:いつも早く帰って8時に寝てね、夜中の2時3時に起きて執筆されるということですが、8時まではできるだけ家族と一緒に頑張るというお話、この間されてましたけど、今日、ご自宅で受賞ということになりましたけども、ご家族またはお子さま方の声はどうでしたでしょうか。 砂川:妻のほうは良かったねというところで、上の子は「ポケモン」をやっていて、ちょうど大切な伝説のポケモンをゲットする最中だったので、ちょっと見向きもしてくれなかったですね。 読売新聞:あ、そうですか。 砂川:はい、はい。 読売新聞:下の子はどうでした? 砂川:下の子については、このあとちょっと行くからっていうふうなことを言ってからずっと泣き通しだったので、ちょっと妻に申し訳ないことをしたなと思ってます。 読売新聞:まさか今日は自転車でこちらにいらしたんでしょうか。 砂川:いや、タクシーです。 読売新聞:タクシーで。 砂川:はい。 読売新聞:それからもう1つ、こういういわゆる写真を撮られるのが嫌ですということですけども、すでに講談社のホームページには写真はしっかり出てますし、今、撮られまくっていますけども、どうして写真そんなに嫌ですか。でも今のこのカメラの放列は、またちょっと誇らしい感じはないでしょうか。 砂川:いえ、そんなことはまったくないですね。 読売新聞:ないですか。どうして写真が嫌いなんでしょう、あらためて。 砂川:自然な感じじゃないからです。 読売新聞:ああ。 砂川:はい。