「サイボーグゴキブリ」20匹が群れで移動する、広島大がアルゴリズム開発
広島大学の白楊特任准教授と小蔵正輝教授、大阪大学の若宮直紀教授らは、サイボーグゴキブリの協調制御アルゴリズムを開発した。電子制御された20匹のゴキブリが群れで目的地に移動する。実験ではゴキブリ同士の絡み合いが減り、障害物を避けて移動できた。災害調査などへの応用を目指す。 マダガスカルゴキブリに電池や電子制御基板を背負わせ、感覚器を刺激して群れとして行動させる。リーダーのゴキブリに対して19匹のフォロワーを配置した。砂地にブロックなどの障害物を配置して目的地まで移動させる。ゴキブリたちは自由に歩くが、群れからはぐれないように進む方向を制御される。 新しい制御アルゴリズムは従来よりも刺激回数を減らすことができた。ゴキブリ自身の自由度が向上し、ゴキブリ同士が絡まって動けなくなる頻度が減った。ゴキブリ同士の距離が広がり、障害物を回避しやすくなった。転倒して動けなくなったゴキブリを他のゴキブリが押して復帰させることもあったという。 実験ではゴキブリたちの位置情報を測定して中央集権的に計算処理した。今後ゴキブリたちが分散処理できるように改良していく。