大阪府・吉村知事が定例会見9月22日(全文6完)国の解除基準と大阪の特性を踏まえ判断
第6波が年末年始に発生したらどうするか
Lmaga.jp:エルマガジンの岡田です。次の波についてなんですけれど、すみません、まだ宣言も解除されていない中での予想の範囲なんですけれど、現在これだけ万端に準備を進めていらっしゃるんですけれども、前回の対策本部会議では今後、医療体制がどんどん強化されていくと、1日の新規陽性者がかなりの数、例えば5000人、6000人でも社会として容認していくことが必要になるといったようなご発言を伺っていまして。 もし第6波が昨年、年末年始に万が一発生した場合に、どういったことを目標にもたれているか。例えば第6波が来た場合でも、病床、医療体制の好循環を維持して、宣言を出さないようにするといったりとか、何かこういうふうに終わらせればという目標などが、お考えがあればお願いします。 吉村:どこを越えてはいけないか、どこを守らなければならないかっていうところの考え方をやはりきちんと府民の皆さんにお伝えする必要があると思っています。僕は、それは医療体制、特に重症病床だと思っています。つまり、生きるか死ぬかの瀬戸際にある方の命を守る最後のとりでが重症病床です。で、重症病床をオーバーフローするような状況になると、救える命も救いづらいような状況になってくるので、それはできるだけ避けたい、救える命を1人でも救いたい、救えなくなるのを防ぎたい、ここはやっぱり一番大切なポイントだろうと思っています。 なので、そういった重症、それ、重症病床がもう、入院が困難になってくると、今度は当然中等症の病院で重症を見たりとか、あるいはもう自宅の方が病院先で運べない、だから救急車でも運び先がないと、そんな状態もやっぱり出てくるわけです。なので、それはみんなが許容するかというと、僕はやっぱり許容しないとこだし、知事としてもそこはなんとか守りたい。
重症病床のオーバーフローをどう防ぐか
感染症なので、何が起きるか分かりませんから、保証できるものではないんですけれども、守るべき最後の線というのはそこだと思っています。で、病床が逼迫してくると、やっぱり最後、重症病床がきつくなってくると。中等症とか軽症病床はだんだん重たい人が入ってくるようになると。で、最後どうなるかというと、最後はやっぱり重症病床がオーバーフローしてくる。これはそうだと思います。なので、そこはなんとか防ぐために何が必要かっていう行動を起こす必要がある。これは第4波、5波を経験してそう思います。 なので、まずは当然、重症病床自体を確保して広げていく。これは最も大切なことです。ただやっぱり限界があります。そもそも大阪のICUは500床から600床で、日本全体で見てもそういう集中治療室を取れるような施設というのは、あまり実はないです。だから実際の重症病床の確保数というのは、それぞれの都道府県でどのぐらいあるかって見てもらったらよく分かるんですけど、日本の今の医療システムはそんなたくさん、なかなか確保できない。 で、それを確保すればするほど、極限を超えて確保すればそれは一方で何を意味するかというと、ほかの病気で救える命を救えなくなる。ここを社会が許容しなければならないというのがやはりいわゆる3次救急。そしてICUとかそういった重症病床の手当てをするところだと思っています。 で、かなり限界に近い数字、大阪で605床というかなり限界に近い数字ですけど、ここは、それを前提にして、そこからまたさらに増やすということになると、もうこれはほかの病気で救えない、命の重さとすれば、これはコロナ以外でお亡くなりになる人もいるわけですから、それを許容するわけにはいかないので。 そうすると、やはり無限には増えないっていうことを考えたときに重症病症とか、医療の病床を確保することが一番重要。だけれども、それを超えるような事態になれば、これはやっぱり大きく社会経済も止めていかなきゃいけないし、いざというときのことを考えた対応というのが必要になると思います。そうならないようにするためには、分母としての重症病床を確保するだけじゃなくて、重症化率を下げるということが極めて重要になってくると思います。 今まで重症化率を下げるという手段が第4波まではなかったわけですけれども、第5波以降は重症化率を下げる手段としてワクチンがもうすでに出てきて、多くの人に広がりつつあります。これはかなり重症化率を下げることができます。もう1つは抗体療法の治療薬も出ています。これもかなり重症化率を下げることができます。