コロナ分科会後に尾身会長と西村担当相らが会見(全文1)前回より高齢者の死亡率が低い
重症者数の増加が緩やか
現在、今回の感染拡大で重症者数の増加が緩やかであることにつきましては、そこに書いてありますとおり、早期に診断がされて、発症から入院までの期間が短縮しているようなこと、それから治療法が標準化されて、一定の効果を上げている可能性というのも考えられます。それらについて、データがありますので、またご説明していきたいと思います。次のスライドをお願いします。 これまでの新型コロナウイルス感染症の感染状況、これを年齢別に見ますと、左側のスライドで示してあるとおり、これは年齢群別になってますけど、若い人に非常に感染が多いということが分かります。一方、死亡者を見ますと、逆に高い、高年齢の方が死亡しているということがよく分かります。これは厚生労働省の公表データでございます。次から、次のスライドをお願いします。 こちら医療センターのレジストリのデータです。次のスライドお願いします。これを見ていただきますと、入院された方がどういう経過で重症化するかということを見ています。上の四角のところなんですけど、流行初期の、これ、6月5日までのデータなんですけども、入院後に相関に至る、あるいは死亡する割合、左側が相関、右側の表が死亡する割合ですけれども、やはり高齢者、それから入院時に重症だった症例が、そういった重症化をするということが分かってきます。次のスライドお願いします。
院内・施設内感染がある程度抑えられている
こちら感染症研究所の疫学センター、鈴木先生まとめのデータですけれども、これまでの日時をずっと横軸、X軸で見ていきますと、この全体の感染者数、増えていますね。年齢群別に若い人が最近急増しているのが分かります。お年寄りの方は比較的そんな増えてないんですけど、逆に死亡者数の累積見ていきますと、前回の第1波のとき、かなり急激に年齢の、高齢者の方が亡くなっていることがわかりますけども、最近はそれほどでもないです。でもここのところ少し、また高齢者の方が亡くなっているということが分かりますので、ここは注意する必要があるということになります。 次いっていただきまして、これ、第1波と第2波の違いというところで、これも同じようなデータになります。次へお願いします。さらにもう1枚めくっていただきまして。これ、非常に重要なデータで、これもX軸、横軸が日付になっております。この折れ線グラフが感染者数ですね。青色が施設内感染、それから橙色が院内感染なんですね。この第1波のときにそういった院内感染・施設内感染が非常に多く起きていたということが分かります。 一方で、最近、直近の感染では院内感染・施設内感染がある程度、数が、感染者数ですね、これは。抑えられているということが分かってきていますので、高齢者の方の死亡率が最近、前回の第1波のときと比べると最近の感染拡大では少ないということは、こういったこともあるだろう、これが重要なデータだろうと考えています。次、お願いします。 一応、まとめになりますけども、第2波といってますけども、COVID-19報告症例の粗致命率、見掛け上の致命率というのは低下傾向にありますけれども、年齢群別致命率としては大きな変化がありません。致命率の低下というのは、若年患者の割合が増加していること、それからサーベイランスの感度の向上による軽症者、それから低リスク者が、割合が増加している。それから大規模な院内感染・施設内感染が減少していることで説明できる可能性があると考えております。 一番最後の段落のところで、院内感染・施設内感染に関しましては、流行の波の終盤に多く確認される傾向にございます。またそれが起きた場合に重症者、死亡者の増加につながることから、引き続き十分な対策を取りつつ、注意深く見守っていく必要があるということですけれども、感染者数が現在、減少傾向に転じていると考えていますけれども、引き続き3密を避けること、大声を避けること、それから基本的な感染対策が十分必要であるということが重要であろうというふうに考えております。私のほうからは以上です。