ワクチン開発「感染予防効果は実証難しい」西村担当相が見通し示す
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)が21日開かれ、会合後に西村康稔(やすとし)経済再生担当相が会見した。開発が進められるワクチンの効果について、接種した人が感染しないという感染予防効果は「実証が難しい」との見方を示した。 【動画】ワクチン接種のあり方議論 コロナ分科会後に尾身会長と西村担当相が会見
発症予防・重症化予防効果は「評価されるだろう」
西村氏は、ワクチンの一般論と強調した上で、 (1)感染予防効果 (2)発症予防効果 (3)重症化予防効果 (4)集団免疫効果 などが期待されるとした。 ただ現在、臨床試験や治験が行われているワクチンに関しては「発症予防や重症化予防につながるところは評価がなされてくると思うが、全く感染しない(感染予防効果)はなかなか実証が難しい」との見通しを述べた。集団免疫効果についても「分からない」とした。 西村氏に先立って会見した尾身会長は「呼吸器ウイルス感染症へのワクチンでは感染予防効果を十分に有するものの実用化が(これまで)なかった。安全性と有効性の両面で理想的なワクチンが開発される保証はない」とワクチンへの過剰な期待にくぎを刺した。 開発が進められているワクチンについては「有効性はまだ科学的には分からないことばかり。国民のワクチンへの期待は極めて大きい。しっかりと正確な情報を伝えることが重要だとかなり強調して政府に伝えた」と述べた。
高齢者や医療従事者らを優先的に接種
この日の分科会では、実用化された際のワクチン接種のあり方についても議論された。西村氏は「重症者するリスクのある人や医療従事者」を優先する方向で整理していく考えを示した。具対的には▽医療従事者▽高齢者・基礎疾患のある人を優先的に接種する。妊婦や高齢者施設の職員などをどうするかについては、引き続き専門家の意見を聞いてまとめていくとした。