コロナ感染「下降傾向と考えても間違いではない」 政府分科会メンバーが会見
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が21日、開かれた。その後の記者会見で、分科会メンバーの押谷仁東北大教授が感染状況について感染者の発症日を基にしたデータを示しながら「全国のエピデミックカーブ(流行曲線)を見ると、現在のところ7月27日から28、29日にピークがあるように見える。(感染は)下降傾向にあると考えても必ずしも間違いではないという状況にあると判断できると思う」と語った。東京、大阪、沖縄など地域ごとの傾向にも触れた。 【動画】ワクチン接種のあり方議論 コロナ分科会後に尾身会長と西村担当相が会見 ただ、これらの分析はあくまで現時点のデータから導き出されるものであり「ピークに達したという結論ではない」と強調。「今後どこかで感染拡大が起きるリスクは当然あり、お盆での移動に伴う感染拡大があった可能性もある。(1人の感染者が何人に感染を広げるかを示す)実効再生産数も1をようやく切ったところ。その傾向がずっと続くか慎重に見極めないといけない」と語った。
東京「高止まりの可能性」
東京都については「全国の傾向と比べると、まだこの先がどうなるのか、高止まりしている可能性があるという判断になると思う」と説明。「今後も東京都の報告数はある程度の数が出てくると。もし下降傾向にあるとしてもどの程度時間がかかって下がっていくか分からないし、また大きな流行がどこかで起これば再度増加に転じる可能性も十分に残されている」と続けた。
愛知・大阪「減少傾向」 沖縄「不確実性残る」
押谷教授は愛知県、大阪府、福岡県、沖縄県の地域ごとの状況分析も発表。 愛知はに関しては「7月終わり、27日くらいにピークが見えている。愛知に関しては(東京に比べて)減少傾向がより明らかなのかなというデータになっている」と指摘。大阪についても「同様のパターン」と述べた。 一方、福岡は「緩やかに減少しかかっているのかな。大阪とか愛知に比べるとより減少していると判断する根拠に乏しい感じがするが減少傾向にあるかなと(思う)」と説明。 沖縄についても「かなり大きな感染拡大が起きていて、まだどうなるのか不確実なところもあるが、少しずつ減っている可能性もあるのかなと。ちょっと沖縄の状況は不確実性が残る」と語った。