第166回直木賞受賞会見(全文)今村翔吾さん「やっとここまで来たか」
富山・高岡の子供たちへのメッセージを
富山新聞:すいません、富山県の富山新聞の【モリタ 00:21:15】と申しますが。 今村:富山新聞。 富山新聞:はい。昨年、先生が富山の高岡の小学校に来て授業をしていただいたということで、子供たちも大変今回の受賞を喜んでいるんですけれども、特に子供たちに対して、先生から受賞を機にメッセージをまたいただければということと、あと手紙を先生に出して、学校に来ていただいたということで、その子がまた富山に来てほしいということもおっしゃってましたが、来ていただけますでしょうか。 今村:昨年、1通のお手紙をいただいて、コロナで全ての行事が飛んでしまったと。何か、そう、今村先生の本で元気になった、いつか会いたいみたいなお手紙やったんです。それを見たときに、学校の中に行って、リモートっていう形とか、すごいディスタンスを取ってという形やったんですけど、会いに行きたいなと思って、その翌月ぐらいかな、もう会いに行ったんですよね、いろいろ学校さんとお話しさせていただいて。 僕にとって子供っていうのは原点です。人を教えてきて、なんだろう、僕は子供に、ダンスの先生というか、いろんなことを教えたつもりでいるんですけど、本当に多くのことを教えてもらって、それが僕の作品の根底にあると思ってて。若者、子供たちになんかできひんかっていうのは常に持ってるんで、これからも、未来あるというか、子供たちにできる活動があれば、できる限り、私の力の及ぶ限り頑張っていきたいなと思ってます。富山の彼にも、また会えるようにとお伝えください。 富山新聞:ありがとうございます。 司会:ありがとうございました。それでは会見のほうはこれにてと思いますが、今村さん、最後に一言、二言、お願いいたします。 今村:今回、僕、37歳での受賞になりました。池波先生と同じ37歳で受賞することができました。なので、今回しかなかったんです。なので、めちゃくちゃうれしかったです。憧れの人と同い年で同じ賞を受賞できるって、いや、本当に感慨深いなと。小学校5年生の歴史小説にはまってた、うん、どっぷり漬かってた少年がここに来たんやなっていうことが本当に感慨深いです。またこれから、迷いながらも進んで、より良い作品、あえてもう一度言います、面白い作品を届けていきますので、どうぞ、僕に飽きなければ、読者の皆さんも含めて、どうぞお付き合いください。本当に今日はありがとうございました。 司会:今村さん、ありがとうございました。今村翔吾さんでした。 (完)【書き起こし】第166回直木賞受賞会見