第166回直木賞受賞会見(全文)今村翔吾さん「やっとここまで来たか」
新庄の方たちへのメッセージを
司会:ありがとうございました。ご質問のある方。ちょっと、すいません、手で指します。黒い、今、後ろを向かれた方です。はい、お願いいたします。こちらのマイクのほうにお越しください。 山形新聞:山形新聞の【木村 00:17:40】と申します。先日は取材ありがとうございました。今村さんは新庄藩のことを書いてデビューされたと思うんですけれども、その新庄まつりのこととかを機に、いろいろ全国で縁ができたというお話をしていましたが、そういった出会いが今回の小説を含めて作家活動の中にどんな影響を及ぼした部分があったのかということと、今回この受賞をすごく新庄の方たちも喜んでいるので、その方たちにちょっとメッセージをいただきたいと思います。 今村:なんだろう。やっぱりこの、まだ僕デビューして5年なんですけど、本当に、今年で5年目なんですけど、多くの縁をいただいて、その縁が執筆の活力になったと思うし、出会わなければ書けなかった物語、一節っていうのは本当にあったと思います。それは山形の方々との出会いもそうです。まず応援してくださった新庄の方、山形の方々に、やったぞと伝えてください。よろしくお願いします。 山形新聞:はい。ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。じゃあ、すいません、そちらの白。あと2問ほどとさせていただきます。
前回までと何が変わったのか
共同通信:共同通信の【平川 00:19:02】と申します。受賞おめでとうございます。今回、三度目のノミネートで、前作、前々作、前回のものも、すごく評価する声もあったかと思うんですが、今回何が変わって受賞になったというふうに自分ではお考えですか。 今村:僕は前回から、1回目からなんですけど、いったん選評というのはしっかり読んで、ふに落とそうって思ってます。ただ、それをずっと考えながら書くのではなく、1回おなかの中っていうか、ふに落とした上で、忘れて執筆するということで、できる限り、言われたことをやるわけじゃないんですけど、自分の中で消化してから次の作品に臨むっていうことができたかなと思ってるので、前回の欠点であったりとかっていうのはある程度、努力して補えたのかなっていうふうには思っています。どうでしょうか。 共同通信:分かりました。あと、もう1点だけ。今日ここまで人力車で来られたと思いますが、その心はというか、どのような思いでそのような準備をされてきたんでしょうか。 今村:徒歩で来られる方もおられますし、ほとんどタクシーの方、で、山本一力先生が自転車で来られたっていう話とかもあります、残り何があるんやろうって考えたら人力車って感じでした。僕は文学賞ってすごいお祭りやと思ってます。直木賞は最大のお祭りやと思ってます。普段、興味ない方にでも、入り口はなんであれ知っていただけたら、僕の大好きな直木賞を知ってくれっていう思いが強いかもしれないです。これから、そういう意味では盛り上げたかったっていうか、なんかのきっかけになればいいなぐらいの感じで、僕みたいなタイプがやるほうがいいんかなと思ってやらせていただきました。 共同通信:分かりました。ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。じゃあ最後の1問とさせていただきます。ネクタイされてる黒い、前の、はい、指さしてすいません。お願いいたします。