石破氏・菅氏・岸田氏が共同会見(全文3完)説明責任を果たす姿勢は大事
優先的に改正を目指す項目は?
読売新聞:読売新聞の【タニカワ 00:55:20】と申しますが、よろしくお願いします。安全保障政策と憲法についてお伺いします。政府はこれまでいわゆる敵基地攻撃能力について、憲法上は認められるが政策判断としては保有しないという見解を示してきました。北朝鮮のミサイル攻撃能力の向上を受けて、こうした能力を保有する政策に変更するという考えはおありでしょうか。また安倍首相は憲法改正について自衛隊の根拠規定の明記にこだわってきたと思いますが、こうした方針を引き継ぐのでしょうか。特に4項目の中でどれを優先的に改正を目指していく考えなのかお聞かせください。 石破:これは憲法上は可能です。自衛権の行使ですから、それは被害が出てからでは遅過ぎると。恐れの段階では早過ぎると。着手の段階になれば個別的自衛権の行使として相手の策源地を攻撃することは許されるということは、私は長官時代に類似答弁をしているところでありますが、そのときに答弁をしたのは北朝鮮の指導者がこれから日本を攻撃すると宣言をして、液体燃料を2時間、3時間掛けて注入し、ミサイルが直立すればそれは不可逆的な段階に入りますので、まさしく着手だと。 しかしそういう宣言をしなかったら今、固体燃料ですから、瞬時に準備はできるわけですね。そして移動発射台でどこへ移動するか分かんないわけですね。そしてTELによって移動するわけですよね。さらにコールドローンチを使って撃つと何発でも撃てるわけですよね。
敵地攻撃論の独り歩きは極めて危険
そうすると私が長官時代に言った状況が生まれるかというと、極めて法的には難しい。そこにおいて着手の時期をどう判断し、専守防衛に反しないかどうかは現実に即して考えないと、法律論から瓦解しかねない。そこはきちんと考えねばならないし、敵地攻撃というのを仮にやる場合に、F-35でやるのか。そうすると空中給油機AWACS、どれだけ飛ばしどこにあるのか。どうやって判断するか。そしてそういう判断をした場合に、どこにあるかはどのようにして情報を仕入れるか。日本単独の判断でそんなことができるか。日米安保との関係はどうなる。ということを詰めないままに敵地攻撃論が独り歩きすることは極めて危険だと私は思っている。 トマホークでやればいいという考え方は問題はほとんど一緒である。トマホークは遅いので、撃ち落とされるということも考えておかねばならないだろう。イージス・アショア的な機能というものは残していかなければならない。それは洋上でそのような発射台だけ置き、レーダーを地上に置く等々、それは非常にこう考えれば、イージス・アショアの機能は海上自衛隊の負担軽減、南西海域の防衛、その意味からも絶対にやめてはならないものだと考えております。 菅:これについては今、憲法の下に専守防衛の範囲の中で今、与党でこの問題についていろいろ議論しています。そして、これ与党というか、自民党での議論をして。で、最終的には与党の議論を見据えながらそこは対応していきたい、こういうふうに思います。