発症後、手のひらを開いているつもりなのに自然と閉じていく現象が起きた

　脳梗塞とは脳内の血管に血栓ができることで詰まり、血流がなくなることで脳の一部が壊死する病気です。壊死した部分が神経に触れていると、様々な形で症状が現れます。手足にしびれがでたり、麻痺したり、呂律が回らなくなったりします。 　 　この記事を書いている私は、ABCテレビ報道局で記者をしている47歳です。脳梗塞なんて高齢者がなるものだと思っていました。47歳が若くないことは確かですが、高齢者という認識はありませんでした。しかし、2024年8月に脳梗塞になりました。自分にはまだまだ縁がないと思っていた病気に実際になってみると、ショックというより俄然興味が湧いてくるのはテレビに携わる者の性なんでしょうか。これまで漠然としていた「脳梗塞」という病気がいろいろとわかってきたので記事として書いてみることにしました。 　※本稿は記者が体験したり、見聞きしたものを原稿化したものです。医学的エビデンスがあるわけではありませんので、ご参考程度にご覧いただけたらと思います。

■脳梗塞は突然に

　まずは私の健康状態について基礎情報を記します。 　・身長　169cm 　・体重　85kg 　・血圧　上140～150　下90程度（健康診断で高血圧との指摘あり） 　・週2日、剣道に勤しむ 　・タバコは人生で一度も吸ったことがなく、酒も年間10日飲むかどうかぐらい 　 　40歳を過ぎた頃から健康診断で高血圧を指摘されることが多かったのですが、すべて無視していました。 　脳梗塞を発症した8月2日。私はこの日から5日間、いわゆる義務年休で、休む予定になっていました。2日の朝、午前10時までは特に何もありませんでした。スマホゲームができるほど、何もなかったのです。午前10時ごろ、付近の家電量販店に車で向かい駐車場に停めるべくハンドルを切った時に、少し違和感がありました。右手に少し力が入りにくいといいますか、ハンドルを切る時に肩から力を入れないと回せないといいますか、「なんか変だなぁ」という感じでした。車を降りて家電量販店に入ったのですが、そこで起きたのが「駐車券を落とす」という現象です。よくある定期券ぐらいの大きさの、紙の駐車券です。これをなぜかスルスルと、何度も落としたのです。しかし、まだこの時は自分が脳梗塞だとは微塵も思っていません。筋肉疲労があるのかな？ぐらいに思っていました。