安倍首相、辞意を表明 持病再発「総理の地位にあり続けるべきでない」
安倍晋三首相は28日、記者会見し、辞任する意向を明らかにした。持病である潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)が再発したことを説明したうえで「国民の負託に自信をもって応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断した。総理大臣の職を辞することといたします」と述べた。 【ノーカット】安倍首相が辞意を表明 持病再発「総理の地位にあり続けるべきでない」(2020年8月28日)
安倍首相は、第一次政権(2006~07年)時代にも潰瘍性大腸炎の悪化などにより退陣した。 会見で安倍首相は新しい薬の効果により「この8年近くの間しっかりと持病をコントロールしながら、なんら支障なく、総理大臣の仕事に毎日、日々全力投球することができた」と説明。しかし、今年6月の定期健診で再発の兆候が見られると指摘されたという。 安倍首相は、「薬を使って職務をあたってきたが、先月中頃から体調に異変が生じ、体力をかなり消耗する状況となった。8月上旬には潰瘍性大腸炎の再発が確認された。現在の薬に加えてさらに新しい薬の投与をすることにした。今週初めの再検診で、投薬の効果があることが確認されたものの、投薬の継続的な処方が必要であり、余談を許さない(状態だ)」と語った。 そのうえで、「政治においては最も重要なことは結果を出すことである。私は政権発足以来そう申し上げ、この7年8か月結果を出すために全身全霊を傾けてきた。病気と治療を抱え、体力が万全でないという苦痛の中、大切な政治判断を誤ること、結果を出さないことがあってはならない」と辞意を固めた経緯を語った。
「連続」「通算」ともに在任期間最長
安倍首相は8月24日、首相としての連続在任期間が2799日となり、佐藤栄作元首相の記録を上回って、歴代最長となったばかりだった。第一次政権(2006~07年)時代を含む通算の在任期間も昨年、歴代最長となった。 安倍首相の自民党総裁としての任期は2021年9月末まで。