甲斐拓也のFA去就に巨人・大城の残留が影響? 正捕手望むなら「ソフトバンク残留」か
今オフにFA権を行使したソフトバンクの甲斐拓也。巨人が獲得に乗り出しており、移籍か残留か動向が注目されている。 【写真】FA権を行使せず他球団スコアラーを驚かせた巨人選手はこの人 気になるのは、甲斐が今後の野球人生で何を重視しているかだ。複数のメディアでは、正捕手で試合に出続けられる環境を希望していることが報じられている。 甲斐は育成入団から球界を代表する名捕手に駆け上がり、ソフトバンクの常勝軍団構築の立役者となった。21年は全143試合に出場し、22年は130試合、昨年は139試合出場したが、小久保裕紀監督が就任した今季は119試合出場と減少した。大関友久、大津亮介が先発登板時に海野隆司が先発マスクをかぶることが多く、シーズン最終盤に前田純、前田悠伍がプロデビュー登板を果たした際はファームでバッテリーを組んだ谷川原健太が起用された。 出場機会が減ったとはいえ、甲斐の正捕手という位置づけは変わらない。スポーツ紙デスクは「甲斐の存在抜きに4年ぶりのV奪回は成し遂げられなかったでしょう。試合出場数が減ったと言っても首脳陣の評価が落ちたわけではない。投手との相性がありますし、海野、谷川原を育てなければいけない側面もある。甲斐が故障するなど不測の事態も想定しなければいけません。一昔前のように1人の捕手が全試合で先発マスクをかぶる時代ではない。適度に休養を入れることでコンディションが整いますし、パフォーマンスが上がる」と指摘する。 かつては古田敦也(元ヤクルト)、谷繁元信(元横浜、中日)、阿部慎之助(現巨人監督)ら球界を代表する名捕手たちは故障がない限り先発マスクをかぶっていた。だが、近年は複数の捕手を併用するチームが大半を占める。プレミア12を戦う侍ジャパンの捕手陣を見ても、坂倉将吾(広島)は今季捕手で64試合、一塁で49試合先発出場した。坂倉と同様に「強打の捕手」として定評がある佐藤都志也(ロッテ)も一塁で13試合先発出場している。 ソフトバンクは昨オフ、甲斐の契約更改で複数年契約を打診していた。だが、甲斐は年俸2億1000万円の単年契約でサインした。 ソフトバンクを取材するスポーツ紙記者は「12球団で最も甲斐を評価しているのが、ソフトバンクだと思います。打撃で不調の時期が続いても守備面の貢献度が高いから、スタメンで起用し続けてきました。甲斐が打たなくても他に強打者がそろっているのでカバーできましたが、他球団だったらどうでしょうか。打力の弱さを理由に外されるケースが考えられます。正捕手を望むなら残留がベストでしょう」と強調する。