「後輩に道を譲りたい」野口飛行士がJAXA退職会見(全文1)
3回の飛行で一番印象に残ったことは
時事通信:時事通信の神田と申します。 野口:ありがとうございます。 時事通信:26年間、3回の飛行をされているわけなんですけれども、その経験の中で一番印象に残ったことっていうのを1つ挙げるとしたら、どんなことでしょうか。 野口:そうですね。ありがとうございます。神田さん、スペースシャトルのころからずっと追っ掛けていただいていますけど。3回の宇宙飛行、それからいろんな訓練、いろいろと印象深いものがありますけれども、最も印象深いのはやはり、最初に宇宙に、スペースシャトルで打ち上がったときに、エンジンが止まって、自分の周り全てが無重力になった瞬間に窓に広がった地球の姿ですね。 まさにそれを見るために宇宙飛行士になったし、やはりその重力、無重力も含めてですけど、無重力の世界に包まれて、目の前に地球がまさしくぽっかり浮かんでいると。まごうことなく、球体の地球が目の前にあるという感覚は、何年たってもまさに忘れられない光景だなと思います。 時事通信:ありがとうございます。 司会:ありがとうございました。それでは、2列目の青いマスク。はい、どうぞ。
未来をつくる小中高生へのアドバイスを
TELSTAR:宇宙広報団体TELSTARの千葉と申します。あらためて、26年間お疲れさまでした。ともに、ありがとうございました。これまで野口さんはいろいろな逆境を乗り越えてきたと思うんですが、これからいろいろな多様なチャレンジをして、未来をつくっていく小中高生に向けて、何かアドバイスだったりメッセージ、いただけますでしょうか。 野口:ありがとうございます。そうですね、今本当に新型コロナウイルスもありますし、いろんなところで時代の閉塞感みたいなものに苦しんでいらっしゃる、大人もそうですけど、子供もきっと多いと思うので、やはり自分たちが抱えている閉鎖感みたいなものを打破する1つのきっかけに、宇宙があるといいなというのはずっと思っているんですけど。 そういう意味では、一昨年私が搭乗したスペースXみたいなのは、アメリカだけでなく、世界中の子供たちに、ああ、こういう感じで新しい乗り物、新しい機会っていうのが広がるんだっていう、1つのアイコンになっていると思うので、やはりそういうのをうまく使いながら、お子さんたちが、今、目の前にある世界だけでない新しい世界に自分たちは行けるんだと。それが、宇宙が1つのきっかけになっているっていうふうに感じてもらえるといいかなと思います。 TELSTAR:ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。そちらの男性。はい、どうぞ。そうです。 【書き起こし】野口飛行士がJAXA退職会見 全文2に続く