野口飛行士がJAXAで会見(全文1)3回目の宇宙へ「二度あることは三度ある」
3回目の宇宙飛行に臨む宇宙飛行士の野口聡一さんが9日午後2時から、宇宙航空研究開発機構(JAXA)東京事務所で記者会見した。 ※一部、判別できない箇所がございますことをご了承ください。
今回のミッション概要と搭乗決定の経緯について
永松:定刻になりましたので、ただ今から野口聡一宇宙飛行士の、国際宇宙ステーション長期滞在搭乗員の決定にかかる記者会見を開催いたします。まず初めに本日の登壇者を紹介いたします。向かって右側、JAXA有人宇宙技術部門、宇宙飛行士、野口聡一。向かって左側、JAXA有人宇宙技術部門、宇宙飛行士・運用管制ユニット長、上垣内茂樹の2名でございます。私は本日、司会・進行を担当いたします、JAXA広報部報道・メディア課の永松と申します。よろしくお願いいたします。 それでは初めに宇宙飛行士・運用管制ユニット長の上垣内から今回のミッションの概要、今般、搭乗決定に至りました、経緯について紹介いたします。お願いいたします。 上垣内:それでは今日はどうもお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。プレス発表してございますように、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構は、野口聡一宇宙飛行士を2019年の終わりごろから約半年、国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士として決定しました。まず最初に野口宇宙飛行士の経歴につきまして、今までの実績につきまして、簡単にご紹介させていただきます。お手元に略歴についてはお配りしてあると思うんですけれども、ポイントだけ簡単にご紹介させていただきます。 野口聡一宇宙飛行士は1996年に、当時のNASDAに宇宙飛行士の候補生として選抜されました。それから訓練を受けて宇宙飛行士となり、最初のミッションは2001年の4月に国際宇宙ステーション組み立てミッションとして、スペースシャトル114というものに乗る宇宙飛行士として任命されてございます。その後、訓練をそれに向けて受けておったわけですけれども、皆さん記憶になるかと思いますが、2003年の2月にコロンビア号が、野口宇宙飛行士の搭乗の前にコロンビア号が、大気圏に突入する際に分解するという事故がございました。これに対しましてNASAのほうで事故の原因究明と対策が取られ、約2年半ぐらいの飛行中断のあと、野口宇宙飛行士はそのまま今度はスペースシャトル117。STS-114ですけれども、ディスカバリー号に乗ってスペースシャトルの再開、ミッションの最初になるフライトに搭乗します。そこでは事故対策のいろんな〓技術ミッション 00:03:15〓ですとか、その他を含めまして3回の船外活動も実施してございます。 彼の2回目のフライトは2009年になりますけれども、ソユーズ宇宙船で宇宙ステーションにフライトし、約半年の滞在をしてございます。このときの、ソユーズ宇宙船に乗るのはJAXAの宇宙飛行士としては初めてですし、それからこのときは船長の左席に座って、レフトシーターと呼んでいますが、船長を補佐すると、操縦を補佐する。船長に何かあったときは本当に左席に座っている者がソユーズ宇宙船を操作するという、そういう訓練も受けて搭乗してございます。 その後、日本に帰って、日本では宇宙飛行士グループ長で宇宙飛行士のグループを取りまとめるということも経まして、去年からNASAのジョンソン宇宙センターのほうで訓練を、とかですね、それから大西飛行士のミッションを支える等の業務に当たってございました。 今回、彼がフライトする機関というのは2019年の終わりごろからになるわけですけれども、このころは、今は、ソユーズ宇宙船がISSに宇宙飛行士を運んでございますが、それに加えまして米国の民間企業が開発している新型の有人宇宙船が、宇宙飛行士を宇宙ステーションに運ぶ任務に就いていることが想定されます。野口宇宙飛行士はどの宇宙船に乗るかは決まってございませんが、それらに対応する訓練をこれから、彼はしていく必要があるということでございます。 〓希望の理由 00:05:06〓につきましては現在、民間企業やそれから海外からの要望に応えるような活動も活発になってきてございますけれども、野口宇宙飛行士が滞在するころにはそれがさらに進展し、新しい有人宇宙船技術の、蓄積に必要な技術の実験もされているということが想定されます。そういうことから彼の、この今までの難しいミッションに対応してきた経験と彼の能力をもってすれば、この2019年からの長期滞在にも大きな成果を挙げてもらえると判断しまして、彼をこのフライトの宇宙飛行士に決定したということでございます。私からの説明は以上でございます。 永松:引き続き宇宙飛行士の野口聡一から、今回の搭乗に至るこれまでの取り組みや今回の搭乗に際しての意気込みについて紹介いたします。それではお願いいたします。