（写真：CFoto/アフロ）

　AI（人工知能）投資ブームの勢いが加速しており、データセンター向けAI半導体を手がける米エヌビディア（NVIDIA）の売り上げ急増が続いている。 ■　売上高2四半期連続300億ドル超え 　エヌビディアの2025会計年度第3四半期（2024年8～10月）決算は、売上高が前年同期比94％増の350億8200万ドル（約5兆4400億円）、純利益が約2倍の193億900万ドル（約2兆9900億円）だった。売上高、純利益ともに6四半期連続で過去最高更新し、売上高は2四半期連続で300億ドルを超えた。 　エヌビディアは、25会計年度第4四半期（24年11月～25年1月）の売上高が375億ドル（約5兆8200億円）前後になるとの見通しも明らかにした。これは市場の予想を上回った。同社の次世代AI半導体「Blackwell（ブラックウェル）」が米マイクロソフトや米グーグル、米メタ、イーロン・マスク氏の米xAI（エックスエーアイ）などの顧客から強い需要があることを示した。 　CEO（最高経営責任者）のジェンスン・ファン氏は決算説明会で、主要なAI開発者が計算インフラを拡大しており、「現行世代の半導体やBlackwellに対する需要は『驚異的』だ」と述べた。 　だが、英ロイター通信によると、この決算発表を受け、米株式市場の時間外取引でエヌビディア株は2.5％下落した。決算発表直後には5％下げる場面もあった。一部の投資家の高い期待に応えられなかったことが要因とみられる。 　エヌビディアの売上高は過去5四半期、2倍から4倍近い水準で伸びてきた。今回は94％増と、依然として高い伸びだが、これまでのように驚異的な増収率を維持していくのが難しくなってきた。 　ただ、それでも同社の株価は今年だけでもほぼ3倍に上昇している。時価総額は2月に2兆ドルとなり、6月には3兆ドルを超え、11月初旬には約5カ月ぶりに世界首位になった。同社の時価総額は、今回の決算発表日（11月20日）の取引終了時点までに2.36兆ドル増加した。この増加分はグーグルの持ち株会社である米アルファベットの時価総額を上回っている。