「後輩に道を譲りたい」野口飛行士がJAXA退職会見(全文1)
宇宙に行きたい思いに区切りがついたのか
共同通信:すみません、共同通信の【ナナイ 00:13:34】といいます。野口さん、お疲れさまでした。野口さん、以前の記者会見では、飛行のチャンスはまだあるというふうなことをおっしゃっていたかと思うんですが、宇宙への、宇宙に直接行きたいという思いについては、もう区切りが付いたということでよろしいんでしょうか。 野口:そうですね。宇宙に行く機会自体がもうないとは思ってないんですけど、少なくともJAXA宇宙飛行士として宇宙に行くってことはないだろうな、とも思っています。中居くんじゃないですけど、全ての事象は1%から99%で決まるというのがあったので、JAXA宇宙飛行士として宇宙に行く可能性は限りなく0に近い1%で、また、宇宙に民間人の立場で行くっていうのは、半々ぐらいかなと勝手に思っています。 共同通信:ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。女性の方、どうぞ。
どんな未来が実現するといいと考えているのか
井上:フリーランスの井上です。26年間、お疲れさまでした。若い世代の人材教育についてのお話がありましたけれども、野口宇宙飛行士自身、どんな未来が実現するといいと考えてらっしゃいますか。 野口:ありがとうございます。そうですね、若い人たち、若い人たちには子供から、これから社会に出る人たち、あるいはすでに年齢的には上がっているけれども、まだまだ夢を見ている人たちも含めての子供たちと思ってますけれども、やはりわれわれがやってきた宇宙開発、宇宙へのいろいろな挑戦というのは、まさに取りも直さず、明るい未来に向けての、われわれが何ができるかと。次の世代に向けて、明るい未来展望をいかに描いていくかっていうところに、最終的には還元されると思っているので。 この26年間は、私は実際に、自分が宇宙に行くと。あるいは大きな、国際宇宙ステーションのような、大きな国際プロジェクトに関わっていく中で、人類共通の、世界共通の大きな夢を実現するというところで、いろんな姿を見せていきたいなと思っていましたけれども、今後は、もう少し、なんて言うんですかね。直接、もしかしたら子供たちに関わる、あるいは宇宙をこれから目指していこうという、ベンチャーであったり、一般の会社も含めてですけれども、もちろんJAXA職員としてそれを続けるっていう手はあると思うんですけれども、今、JAXA、非常にタレントが豊富なんですよ。宇宙飛行士もいっぱいいますしね。 JAXA職員、皆さん非常に優秀なので、私がJAXAに残るよりは民間に出て、わりとフリーな立場でいろんな方々に助言、あるいは一緒にものをつくっていくということをやるほうが、日本全体で見たときにプラスじゃないかなという気持ちは、少しあります。 なので、JAXAはもう安泰だというところで、私のような、現時点でスペースXに乗った日本人は、日本の中には1人しかいないので、そういう、星出さんはアメリカにいらっしゃるので。そういう意味で、そういう経験をいろんな団体、企業、学校で聞きたいということであれば、そういうのをどんどん発信していきたいなと思っています。 司会:ありがとうございました。それでは前列、一番前の。お願いいたします。